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公務員の試験勉強が遅い人ほどやってはいけない勉強法とまだ間に合う逆転ロードマップ

公務員の試験勉強が遅いと感じていても、まずやめるべき勉強法を手放し、自分の残り期間と使える時間から「まだ間に合うライン」を見極めて、タイプ別の逆転ロードマップに沿って行動できるようになることを目指します。

「もう今年は手遅れかもしれない」「公務員の試験勉強が遅い自分なんて無理だ」と感じていると、勉強しなきゃと思うほど体が動かなくなってしまいますよね。焦りが強いと、テキストを最初から読み直したり、新しい参考書に飛びついたりと、かえって遠回りになる行動を取りがちです。このリードでは、そんな悪循環から抜け出すイメージを一度しっかり持ってもらうことを大切にします。

まず大事なのは、「自分は何が遅いのか」を切り分けて考えることです。スタートが遅かったのか、始めたのは早いのに進みが遅いのか、あるいは両方なのかによって、取るべき戦略はまったく変わってきます。なんとなく「遅い」と決めつけて落ち込むのではなく、残り期間と1日あたりに使える時間を整理すれば、「今年まだ狙えるのか」「来年に軸足を置いた方が楽か」がだんだん見えてきます。

この記事では、やってはいけない勉強法を具体的に5つ取り上げ、その代わりに何をすればいいのかをセットで示します。そのうえで、残り半年・3ヶ月・1〜2ヶ月といった期間別に、大学生・社会人・既卒などタイプ別の逆転ロードマップやモデル時間割を用意しました。読み終わるころには、「自分はこのパターンならこう進めればいい」という道筋がイメージできて、今日から一歩目を踏み出しやすくなるはずです。

この記事はこのような人におすすめ!

  • 「公務員の試験勉強を始めるのが遅かった」と不安で、今年受けるか迷っている大学生
  • 勉強はしているのに進みが遅く、模試の結果も伸びずに自己嫌悪になっている受験生
  • 仕事やバイトで忙しく、1日2〜3時間しか勉強時間が取れない社会人・既卒の人
  • やってはいけない勉強法をやめて、残り期間でできる最大限の逆転プランを知りたい人

目次 CONTENTS 

1. 今「公務員の試験勉強が遅い」と感じているあなたへ

いま感じている「公務員の試験勉強が遅い」という不安を、感情の問題だけでなく「スタート時期」「勉強のペース」「目標とのギャップ」の3つに分解して整理し、自分の位置とタイプを把握したうえで次の章以降の逆転ロードマップを読み進められるようにします。

「気づいたら周りはもう本気モードなのに、自分だけ出遅れている」と感じると、それだけでやる気がしぼんでしまいますよね。まずは、そんな気持ちを否定せず、「不安になるのは自然なことなんだ」と受け止めて大丈夫です。公務員の試験勉強が遅いと感じている時点で、現状を変えたいという前向きな気持ちはもう持てているからです。

ただ、「遅い」という言葉の中身があいまいなままだと、具体的な対策が立てにくくなります。スタートが遅かったのか、勉強のペースが遅いのか、あるいはその両方なのかで、必要な手の打ち方はかなり変わってきます。この章ではまず、「自分はどのタイプの遅さなのか」を落ち着いて整理し、ほかの受験生と比べすぎずに自分の「現在地」を見える化していきましょう。

また、多くの受験生は「理想のスケジュール」と「現実のスケジュール」の差を見て落ち込みがちです。しかし、試験本番までの期間や1日に確保できる時間は人それぞれなので、最初から完璧な計画通りに進まないのが普通だともいえます。ここでは、試験本番までのざっくりスケジュールと照らし合わせながら、「本当に取り返しがつかない遅れなのか?」を一緒に見直していきます。

この章を読み終えるころには、「自分はこういう理由で遅れているから、まずここを直せばいい」というポイントが少しクリアになっているはずです。次の章以降のNG勉強法や逆転ロードマップも、自分のタイプに合わせて取捨選択しやすくなるので、肩の力を抜いて読み進めてみてくださいね。

1-1. 「勉強が遅い」と感じる3つのパターンとは?

「公務員の試験勉強が遅い」とひと言でいっても、中身は人によってまったく違います。まずは、あなたの「遅さ」がどのパターンに近いのかを確認してみましょう。ここをはっきりさせておくと、後の章で紹介する対策を選ぶときに迷いにくくなります。

よく見られるのは、スタートが遅いタイプ進みが遅いタイプスタートもペースも遅いタイプの3つです。どれが良くてどれが悪いという話ではなく、「自分はこの特徴が強いな」と知ること自体が、改善の出発点になります。まずは自己評価でかまわないので、どれが一番しっくりくるかを考えてみましょう。

「勉強が遅い」3タイプ診断チェックリスト

このチェックリストは、どのタイプの遅さが強いのかをざっくり知るためのものです。あくまで目安なので、深刻に捉えすぎず、「自分の傾向をつかむためのヒント」として活用してください。

  • 【スタートが遅いタイプ】
    • 本格的に勉強を始めたのが周りより明らかに後だったと感じる
    • 情報収集や志望先選びに時間を使いすぎて、勉強開始がずれ込んだ
    • 「もっと早くから始めておけばよかった」と何度も考えてしまう
  • 【進みが遅いタイプ】
    • 机には向かっているのにテキストや問題集がなかなか進まない
    • 1ページ読むのに時間がかかり、気づけば同じところを何度も読んでいる
    • 計画表はあるのに、いつも予定の半分しかこなせない
  • 【スタートもペースも遅いタイプ】
    • 勉強開始も遅く、さらに1日の勉強時間も短めになりがち
    • 「今日は疲れたから…」と机に向かわない日が続いてしまう
    • 本番までの残り期間を考えると、どうしても間に合うイメージが湧かない

チェックしてみて、「これは自分だ」と感じる項目が多いところが、あなたのメインのタイプです。1つにきれいに当てはまらなくても大丈夫なので、「スタートは遅かったけど、最近はがんばれている」など、自分なりのバランスをイメージしてみてください。

この3タイプを意識しておくと、次の章で紹介するやってはいけない勉強法の中でも、「自分はここに特に気をつけよう」とポイントを絞りやすくなります。たとえばスタートが遅いタイプなら、完璧主義のテキスト精読は特に危険、進みが遅いタイプなら、科目を増やしすぎないことが大事…というように、タイプ別に優先順位が変わってくるからです。

1-2. いつから始めたら遅い?公務員試験のざっくりタイムライン

「いつから始めたら遅いのか」は、多くの受験生が気にするポイントです。ただ、実際には試験の種類や、もともとの学力、1日に確保できる時間によっても大きく変わります。ここでは、あくまで目安としての試験本番までのざっくりタイムラインをイメージしてみましょう。

大学生のケースで簡単に考えると、多くの人は大学3年の春〜夏ごろから本格的に勉強をスタートし、大学4年の春〜初夏の試験本番を迎えます。このイメージでいくと、大学3年の冬〜4年の春に「やっぱり公務員にしよう」と決める人は、どうしてもスタートが遅いタイプになりやすいといえます。とはいえ、「遅い=もう間に合わない」ではなく、「その分、戦略を絞る必要がある」というだけです。

社会人・既卒の場合は、仕事の繁忙期や生活リズムに左右されやすく、カレンダー通りのタイムラインが通用しないことも多いです。1年ほどかけてじっくり準備する人もいれば、半年〜数ヶ月の短期決戦で挑む人もいます。大切なのは、「世間一般の理想タイムライン」と自分の状況を比べて落ち込むことではなく、自分が今から試験本番までにどれくらい時間を用意できるかを具体的に見積もることです。

この章の内容を踏まえると、「自分は一般的なペースから見てどれくらい遅れているのか」が少し冷静に見えてきます。次の章で扱うNG勉強法を読むときには、「このタイミングでそれをやってしまうと、遅れがさらに広がるんだな」とイメージしながら読んでみると、より実感が湧きやすくなります。

1-3. いまのあなたがいる位置を簡単に確認しよう

ここまで読んで、「自分は遅れているのは分かったけれど、結局どのくらいの位置なのかがまだぼんやりしている」と感じているかもしれません。そこで、少しだけ具体的に自分の「現在地」を確認してみましょう。難しい計算は不要で、ざっくりで構いません。

まず、試験本番までの残り月数を数え、「1ヶ月あたりどのくらい勉強できそうか」を思い浮かべてみてください。次に、これまでに公務員の勉強に使ってきた時間を、テキストや問題集の進み具合からざっくり推測します。すると、「全体としてはこのくらい勉強していて、残りはこのくらい」というイメージがつかめます。この段階では、多少のズレがあってもかまいません。

さらに、どの科目・分野がどの程度終わっているかも簡単にメモしてみましょう。たとえば、「数的処理は基礎問題集を1周」「文章理解はまだ手つかず」「社会科学は授業で触れた程度」など、科目ごとに一言で書いておくだけでも、どこに時間を集中させるべきかが見えやすくなります。こうした整理は少し面倒に感じるかもしれませんが、のちほど紹介する逆転ロードマップを自分用にカスタマイズするときに、とても役立ちます。

ここまでの作業が終わったら、「遅れているけれど、状況は把握できた」というところまで来ています。大事なのは、完璧に数字を出すことではなく、今日からやるべきことの優先順位を決めるための材料をそろえることです。次の章では、その材料をもとに「遅い人ほどやってはいけない勉強法」を具体的に見ていきますので、「これは自分に当てはまりそうだな」と思うところに印をつけるつもりで読み進めてみてください。

ポイント

  • 「遅い」という感覚を、スタート時期と勉強ペースの2つの要素に分解して考える
  • 自分がスタートが遅いタイプ・進みが遅いタイプ・両方のタイプのどれに近いかを把握する
  • 試験本番までの残り期間と、これまでの進み具合をざっくり整理し、次章以降の対策を選ぶための土台をつくる

2. 公務員の試験勉強が遅い人ほどやってはいけない5つの勉強法

公務員の試験勉強が遅いと感じている人ほど、時間をムダにする勉強法を続ける余裕はありません。この章ではよくある5つのNGパターンを取り上げ、「なぜ危険なのか」と「代わりにどうすればいいか」をセットで押さえ、今日からすぐ軌道修正できるようにします。

「遅れているのは分かっているのに、なぜか勉強時間のわりに進まない…」と感じるとき、多くの場合は勉強法そのものが遠回りになっています。真面目で不安が強い人ほど、安心を求めて「一見よさそうだけれど効率が悪い方法」にハマりやすいのも特徴です。ここでは、自分を責めるのではなく、「やり方の問題だったんだ」と切り替えるきっかけにしていきましょう。

特に、公務員の試験勉強が遅いと感じている人は、「時間をお金で買う」「迷う時間を減らす」といった発想が大切になります。完璧さよりも、点数につながる行動に時間を集中させることが重要です。5つのNG勉強法のうち、ひとつでも当てはまるものがあれば、それをやめるだけでも勉強効率はグッと変わります。

どのNGにどれだけ当てはまるかは人それぞれです。この章の途中にチェックリストも用意しているので、自分が特に気をつけるべきポイントをはっきりさせてから、次の「逆転ロードマップ」に進んでいきましょう。

2-1. NG1:テキストを最初から最後まで丁寧に読み込むだけ

スタートが遅い人ほどやりがちなのが、テキストの最初から順番に読み込むだけの勉強です。真面目な人ほど「まずは一冊きっちり読んで基礎を固めよう」と考えますが、公務員試験はインプットだけでは得点になりません。時間が限られている状況で、細部まで丁寧に読み込もうとすると、最後までたどり着く前に本番が来てしまうこともあります。

本当に大切なのは、「どの範囲をどのレベルまで仕上げるか」を決めたうえで、問題演習とセットでテキストを使うことです。テキストは「読むもの」ではなく、「問題を解くために必要なところを拾い読みする辞書」のような存在と考えると、使い方が変わってきます。

遅い人ほど当てはまりやすいNG勉強法チェックリスト

次の項目にどれくらい当てはまるか、軽くチェックしてみてください。3つ以上チェックが付く場合は、勉強法の見直しを強く意識してみるとよい目安になります。

  • テキストを最初のページから順番に読んでいる
  • マーカーや書き込みに時間をかけすぎて、1ページに何十分も使ってしまう
  • 問題集よりもテキストを読んでいる時間の方が明らかに長い
  • 「まだ全部読み終わっていないから」と、過去問に手を出せていない
  • 読んだあとに「分かった気はする」が、いざ問題を見ると手が止まる

このチェックリストに心当たりがある場合は、「読む量を減らして、解く時間を増やす」という発想に切り替えてみてください。たとえば、先に過去問や問題集を軽く解いてみて、分からなかったところだけテキストで確認するようにすると、アウトプット前提のインプットになり、理解の定着も早くなります。

また、「テキストは最低限ここまで」というラインを決めるのもポイントです。公務員試験は6〜7割取れれば合格圏に入れることが多いので、全範囲を完璧に理解しようとしないことが、遅れを取り戻すうえではとても大切になります。

2-2. NG2:とりあえず全科目に手を出してどれも中途半端

公務員試験は科目数が多く、「どれも大事そう」に見えるため、焦るあまり全科目に少しずつ手を出してしまう人が少なくありません。一見バランスが良さそうですが、どの科目も浅くしか進まず、結局どこでも点が取れない…という状態になりがちです。公務員の試験勉強が遅いと感じている人ほど、この「広く浅く」の罠にハマりやすくなります。

限られた時間で点数を伸ばすには、出題頻度が高く得点源にしやすい科目を優先することが重要です。たとえば、数的処理や文章理解など、試験区分を問わず出題されやすい分野は、早めに基礎を固めておくだけで全体の得点を底上げできます。反対に、出題範囲が広く難易度も高い科目を、遅いスタートで一から完璧に仕上げようとするのは、リスクが大きい選択だといえます。

まずは、「この試験区分ではどの科目が出やすいか」「自分が伸ばしやすい科目はどれか」をざっくり整理し、やる科目・やらない科目・軽く触れるだけの科目に分けてみましょう。すべてを同じ熱量でやろうとするのではなく、「ここを軸に点を取って、ここは最低限にとどめる」と決めるだけでも、1日の勉強時間の使い方はかなり変わります。

「全部やらないと不安」という気持ちはとてもよく分かりますが、時間が足りないときほど“捨てる勇気”が合格への近道になります。後の章で紹介する「逆転ロードマップ」と組み合わせながら、自分なりの優先順位付けをしてみてください。

2-3. NG3:問題を解きっぱなしで復習をほとんどしない

問題集や過去問を解くこと自体はとても大切ですが、解きっぱなしで復習をしない勉強法は、効率の面で大きな損失になります。特に、勉強が遅れていると「とにかく問題数をこなさないと」と焦ってしまい、答え合わせをして丸つけだけして、間違えた理由を振り返らないまま次に進んでしまうことが多いです。

理解していない問題を放置すると、しばらく経ってから同じパターンに出会っても、また同じように間違えてしまいます。つまり、新しい問題にたくさん触れているのに、得点につながる“経験値”が増えていない状態になってしまうのです。これは、時間が限られている人にとってはかなりもったいない状況だといえます。

公務員の試験勉強が遅いと感じている場合、意識したいのは「解く時間」と同じくらい、復習の時間に価値があるという考え方です。たとえば、1時間問題を解いたら、少なくとも30分は解き直しや解説の読み込み、理解の整理に使うつもりで時間を区切ってみましょう。

復習のときには、ただ解説を読むだけでなく、「なぜその選択肢が正解なのか」「なぜ他の選択肢は誤りなのか」を自分の言葉で説明できるかを意識すると、理解が深まりやすくなります。同じ問題を何度も解くことに抵抗を感じる人もいますが、「間違えた問題を確実にできるようにする」ことは、最短で点数を上げるための一番の近道です。

2-4. NG4:不安で参考書や講座を次々と乗り換えてしまう

勉強が思うように進まないと、「この参考書が合っていないのかも」「別の講座の方が分かりやすそう」と感じる瞬間が何度もやってきます。そのたびに教材をコロコロ変えてしまう勉強法は、残念ながら成績を安定して伸ばしにくいパターンです。特に、SNSや口コミで「このテキストで受かった」「この講座が神」という声を見かけるほど、今のやり方に自信がなくなってしまいやすくなります。

問題は、教材そのものの良し悪しだけではありません。どんなに評判の良い教材でも、途中までしかやらなければ力になりにくいという点が大きいのです。乗り換えるたびに最初からやり直していると、いつまでたっても「一冊やり切った実感」が得られず、自信もつきにくくなります。

公務員の試験勉強が遅いと感じているときこそ、「今ある教材をどうやってやり切るか」を考えることが大切です。たとえば、「このテキストは例題と基本問題だけをやる」「この講座はここまで視聴したら一度立ち止まる」など、ゴールを具体的に決めて取り組むと、途中で浮気しにくくなります。

どうしても合わないと感じる教材がある場合は、闇雲に乗り換えるのではなく、「ここが難しい」「ここは自分には合っていない」と理由を言語化してから、代わりにどの教材のどの部分を使うかを決めるようにしてみてください。そうすれば、切り替える回数を最小限にしつつ、自分に合うやり方に近づけていけます。

2-5. NG5:深夜の長時間勉強で生活リズムが崩れている

「遅れている分を取り戻さなきゃ」と思うあまり、深夜まで詰め込み勉強を続けて生活リズムが崩れてしまう人も多いです。短期的には「今日もこんなに頑張った」と達成感があるかもしれませんが、睡眠不足や体調不良が続くと、集中力・記憶力が落ちて、結局は効率が大きく下がってしまいます。

特に仕事や授業がある人は、日中にどうしてもエネルギーを使うため、夜の勉強だけで挽回するのには限界があります。翌日に大事な予定があるのに、無理に夜更かしして勉強すると、翌日の学習効率まで犠牲にしてしまうことになりかねません。公務員の試験勉強が遅いと感じていても、体調を崩して何日も勉強できなくなる方が、結果的には大きなマイナスです。

大切なのは、深夜まで勉強することよりも、「毎日コンスタントに机に向かえるリズム」をつくることです。たとえば、平日は睡眠時間を削らずに1〜2時間だけ集中して勉強し、休日に少し多めに時間を取るといったメリハリのつけ方があります。また、寝る直前までスマホや動画を見続ける習慣をやめるだけでも、眠りの質が上がり、翌日の勉強に良い影響が出やすくなります。

「今日はここまで」と区切る勇気も、遅れを取り戻すうえでの大事なスキルです。無理な長時間勉強をする代わりに、毎日続けられる現実的な時間とペースを見つけることが、次の章で紹介する逆転ロードマップを実行するための土台になります。

ポイント

  • 時間が足りないときほど、テキスト精読だけ・広く浅く手を出す勉強は避ける
  • 問題を解きっぱなしにせず、間違えた問題の復習に時間を割くことで効率を上げる
  • 教材の乗り換えや深夜の詰め込みよりも、「やり切る」「続けられるリズム」を優先して、公務員の試験勉強が遅い状況から抜け出していく

3. まだ間に合うかを判断するセルフチェック(残り期間×勉強時間)

試験本番までの残り期間と、1日に確保できる勉強時間からおおよその必要量を逆算し、「今年まだ十分狙えるのか」「工夫すればギリギリか」「来年本命にした方が良いか」を自分で判断できるようにします。

「公務員の試験勉強が遅い」と感じているとき、一番気になるのは「そもそも今年まだ間に合うのかどうか」だと思います。ここをあいまいなままにしておくと、必要以上に不安になってしまったり、逆に現実より楽観的に考えてしまったりして、どちらにせよ後で苦しくなりやすいです。そこでこの章では、ざっくりで構わないので、残り期間×1日あたりの勉強時間から自分の立ち位置を確認していきます。

もちろん、人によってもともとの学力や得意・不得意は違うので、「○時間あれば絶対合格」と言い切れるわけではありません。ただ、公務員試験の勉強量にはある程度の目安があり、その目安に対してどれくらい足りているか・足りていないかを見るだけでも、「無理なのかも…」という不安を現実的な数字に置き換えることができます。数字が見えると、今年チャレンジするか来年に備えるかも決めやすくなります。

この章でのセルフチェックは、厳密な計算ではなく、「今年どこまで本気で狙うか」を考える材料づくりが目的です。少しざっくりした計算でも十分役に立つので、「だいたいこのくらいかな」という気持ちで、一緒に当てはめてみてくださいね。

3-1. 公務員試験で必要とされるざっくり勉強時間の目安

まずは、「どれくらい勉強すれば合格レベルに近づけるのか」のイメージを持っておきましょう。ものすごくシンプルにいうと、教養科目だけの試験で数百時間程度、教養+専門科目の試験だと数百〜千時間程度を見ておくと、ざっくりした目安になります。もちろんこれは幅の広い目安であり、スタート地点や科目の相性によって上下します。

たとえば、大学で法律や経済をしっかり学んでいる人は、専門科目が最初からある程度できるため、必要な追加勉強が少なくて済むこともあります。逆に、数的処理や文章理解が極端に苦手な場合は、そこに多めの時間を割かなければならず、全体の必要時間が増えやすくなります。また、社会人で1日に取れる時間が少ない人ほど、同じ時間数でも「勉強期間」は長く必要になる傾向があります。

ここで大切なのは、「自分は合計○時間やらないといけない」と決めつけることではありません。むしろ、「このくらいの時間で合格している人が多い」というざっくりしたゾーンを持っておき、そのゾーンに対して自分がどのあたりにいるのかを知ることがゴールです。次の項目で、残り期間と1日あたりの勉強時間を組み合わせて、「自分のペースでどこまで届きそうか」を見ていきましょう。

3-2. 残り期間と1日の勉強時間から「間に合うライン」を計算する

次に、「このままのペースで進んだときに、どのくらい勉強時間を確保できるか」をざっくり出してみます。イメージとしては、「残り日数×1日あたりの勉強時間」=最終的な勉強時間の見込みという感覚です。ここに、前の項目で触れた目安を重ねてみると、自分が「余裕ゾーン」「工夫すればギリギリゾーン」「かなり厳しいゾーン」のどこにいるかが見えてきます。

残り期間×勉強時間でざっくり診断する4ステップ

  1. 試験本番までの残り日数を数える
    カレンダーを見ながら、「あと何ヶ月/何日あるか」をざっくり数えます。
  2. 1日あたり現実的に確保できる勉強時間を書く
    理想ではなく、「無理なく続けられる時間」を基準にします。
  3. 残り日数×1日時間で、今後増やせる勉強時間の合計を出す
    ここまでに勉強してきた時間もざっくり足し合わせて、合計のイメージを持ちます。
  4. その合計が、目安の時間にどれくらい近いか・遠いかを確認する
    「足りている」「あと少し足りない」「かなり足りない」のどれに近いか、感覚で構いません。

たとえば、残り3ヶ月で1日3時間なら、今後増やせるのはおよそ約270時間です。ここに、これまでの勉強時間を足した合計が、教養だけなら十分に戦えるラインに近いのか、教養+専門をフルでやるにはきついのかが見えてきます。数字を出してみて「思ったより可能性がある」と感じる人もいれば、「正直かなり厳しそう」と気づく人もいるでしょう。どちらでも大丈夫です。現実を知ることが、無駄な後悔を減らす第一歩になります。

3-3. 結果別:今年チャレンジすべきか・来年に回すべきかの判断軸

ざっくりとした勉強時間の見込みが出たら、「今年どこまで狙うか」を現実的に考えてみましょう。ここで大切なのは、「絶対に今年受からなければ意味がない」と自分を追い込みすぎないことです。今年を“経験として受ける年”にして、来年本命で合格するというルートも、決して悪い選択肢ではありません。

今年チャレンジか来年本命かを決める3つのケース

  • ケース1:合計勉強時間が目安にかなり近い/すでに超えている
    → 今年を本命として、しっかり合格を狙いにいけるゾーン。志望先の幅も比較的広く保てます。
  • ケース2:工夫すれば目安に届きそうだが、やや足りない
    → 志望先や試験区分を少し絞り、「今年も本気で狙いつつ、ダメなら来年リベンジ」の気持ちで挑む選択肢。
  • ケース3:どう頑張っても目安から大きく足りない
    → 今年は経験受験や、一部の試験だけに絞って受けてみて、来年本命で合格を目指す方が精神的にも現実的なゾーン。

勉強時間だけでなく、心身の余裕や生活の状況も判断材料に入れることが大切です。仕事や家庭の事情で、これ以上勉強時間を増やすと体調を崩しそうな場合、「あえて来年に回す」という決断が、自分を守ることにもつながります。逆に、今の生活に少し余裕があって、「ここ数ヶ月は勉強に振り切ってみたい」と思えるなら、今年本命で走り切る価値も十分あります。

3-4. 志望先や試験区分を絞って現実的な作戦に変えるコツ

「今年もチャレンジしたいけれど、時間的に厳しそう…」と感じた人におすすめなのが、志望先や試験区分を絞って、現実的な作戦に変えることです。たとえば、教養+専門の区分をいくつも併願する予定だった人が、教養のみの試験や、専門科目が比較的少ない区分に絞るだけでも、必要な勉強量はぐっと減らせます。

また、同じ公務員試験でも、自治体や職種によって求められる科目や配点は違います。自分の得意科目が活かせる試験や、「ここが苦手でも大きなマイナスになりにくい」試験を選ぶことで、限られた時間でも戦いやすくなります。情報を集めるときは、「どこが難しいか」だけでなく、「どこなら自分の強みを活かせそうか」という視点も持ってみてください。

さらに、科目ごとの力の入れ方を変えることも大事です。すべての科目を同じレベルまで仕上げようとせず、「ここは得点源にする」「ここは落とさない程度でよい」「ここはほぼ捨ててもよい」と分けることで、1日の勉強時間の配分がはっきりします。これは、前の章で触れたNG勉強法「全科目に手を出してどれも中途半端」を防ぐことにもつながります。

こうして作戦を「今の自分用」に調整していけば、「公務員の試験勉強が遅い」というハンデがあっても、無理なく戦える土俵を作ることができます。次の章では、残り半年・3ヶ月・1〜2ヶ月といった期間別に、具体的な逆転ロードマップを紹介していきますので、自分のセルフチェック結果を頭の片隅に置きながら読み進めてみてください。

ポイント

  • ざっくりでよいので、残り日数×1日あたりの勉強時間から合計勉強時間のイメージをつかむ
  • 出てきた数字を目安と比べて、「余裕」「ギリギリ」「かなり厳しい」のどこに近いかを判断する
  • 志望先や試験区分・科目の優先順位を見直し、今年本命か来年本命かを含めた現実的な作戦に切り替える

4. まだ間に合う逆転ロードマップ【期間別・タイプ別】

試験本番までの残り期間(半年・3ヶ月・1〜2ヶ月)と、大学生・社会人などの立場にあわせて、「どの順番で何をどこまでやるか」が分かる逆転ロードマップを示し、今日からの勉強を具体的な行動レベルに落とし込めるようにします。

ここまでで、「何が遅れているのか」「今年まだどこまで狙えそうか」のイメージはつかめてきたと思います。次のステップは、その状況に合わせてやることの順番と深さを決めることです。なんとなく机に向かうのではなく、「今週はここまで進めばOK」という目印があるだけで、不安はかなり和らぎます。

逆転を目指すときほど、「全部やる」よりもやることを減らす勇気が大切になります。残り期間が短いほど、得点につながりやすい科目・単元に的を絞り、「合格に必要な6〜7割を取り切る」発想でロードマップを組んでいきましょう。

この章では、残り期間ごとに「何から始めて、どこまでやるか」をステップに分けて紹介します。自分の状況にぴったり当てはまらなくてもかまいません。自分の残り期間や1日の勉強時間に合わせて、目安として調整するつもりで読んでみてくださいね。

4-1. 残り半年ある人の逆転ロードマップと1週間のモデル時間割

残り半年あれば、戦略を絞ればまだ十分に逆転を狙える期間です。ここで重要なのは、「のんびりモードでダラダラ半年過ごすこと」ではなく、最初の1〜2ヶ月で土台を固めて、残り期間を演習と復習中心の時間に切り替えていくことです。

半年という期間は長いようで、部活・ゼミ・仕事・実習などがあると、あっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、最初にざっくりとした「半年の地図」を作り、そのうえで1〜2週間単位の小さな計画に落としていきましょう。

残り半年ある人の逆転ロードマップ6ステップ

半年プランのイメージを、次の6ステップで考えてみてください。

  1. 志望先・試験区分をざっくり決める
    • 国家か地方か、教養のみか専門ありかをまず決めます。
  2. 使うテキスト・講座を1〜2セットに絞る
    • 迷う時間を減らし、「これをやり切る」教材を決めます。
  3. 教養科目の土台づくり(インプット期)に2〜3ヶ月使う
    • 数的処理・文章理解など、全体の得点を支える科目を優先。
  4. 過去問・問題集を使った演習期に切り替える
    • 1日少なくとも1科目はアウトプット中心の日を作ります。
  5. 模試・演習会で実戦形式を経験する
    • 時間配分やマークミスなど、本番特有の失敗をここで出しておく。
  6. 本番1〜2ヶ月前は弱点補強とコンディション調整に集中
    • 新しいことを増やさず、「できることを確実に取る」意識で仕上げます。

このステップをベースに、1週間のモデル時間割も考えてみましょう。たとえば大学生で、平日2〜3時間・休日4〜5時間確保できる場合は、次のようなイメージです。

  • 月:数的処理(基礎)+文章理解
  • 火:人文・社会など暗記系+軽い復習
  • 水:数的処理(応用)+過去問1セット
  • 木:経済・法律のうち得意/必要な方
  • 金:総復習Day(今週解いた問題の解き直し)
  • 土:3〜4コマ分まとめて演習+復習
  • 日:模擬試験形式で時間を測って演習+振り返り

あくまで一例ですが、「毎週必ず触れる科目」と「週末にまとめてやる科目」を分けると、抜け落ちを防ぎやすくなります。半年プランのポイントは、最初から飛ばしすぎず、「少しきついけど続けられるペース」を見つけることです。

4-2. 残り3ヶ月からの追い上げプランと優先すべき科目

残り3ヶ月になると、「そろそろ本当にやばいかも」と焦りがピークに近づいてきますよね。ただ、3ヶ月あれば、戦略次第で教養中心の試験や、得意科目を軸にした区分ではまだ勝負ができます。ここで意識したいのは、「欲張らずに得点源を絞ること」です。

すべての科目をこの短期間で底上げするのは現実的ではありません。そこで、出題頻度が高く点数が取りやすい「コスパの良い科目」に集中し、それ以外は「最低限にとどめる」「ほぼ捨てる」といった割り切りが必要になります。

残り3ヶ月プランで優先すべきこと5つ

3ヶ月逆転を狙うときに、特に大切にしたいポイントを5つにまとめます。

  1. 毎日触れる“軸科目”を決める(例:数的処理+文章理解)
  2. 過去問や問題集の“同じセット”を何周も回す
  3. 暗記科目は「捨てる部分」をあえて決める
  4. 模試1〜2回を“本番リハーサル”として受ける
  5. 新しい教材には手を出さず、今の教材をやり切る

この5つを守るだけでも、勉強の方向性はかなりクリアになります。特に、「毎日触れる軸科目」を決めることは、勉強のリズムを作るうえでとても重要です。軸科目が決まっていれば、「今日は何をやろう」と迷う時間が減り、机に向かうハードルも下がります。

また、過去問や問題集は、1周目より2周目、2周目より3周目の方が得るものが多いと意識してみてください。新しい問題を増やすよりも、「以前間違えたところを確実に解けるようにする」ことに時間を使う方が、短期間で点数を伸ばしやすくなります。

3ヶ月プランでは、「完璧さ」よりも「解ける問題を一問でも増やす」実利を優先しましょう。「全部終わらないから意味がない」と考えるのではなく、「終わったところだけでも最大限点を取る」という視点に切り替えることが、逆転合格に近づくカギになります。

4-3. 残り1〜2ヶ月でできること・できないことの現実ライン

残り1〜2ヶ月となると、「正直かなり厳しい」と感じる人も多いはずです。それでも、やり方次第で合格に近づくことは十分可能ですし、たとえ今年の合格が難しくても、来年に向けて大きな貯金を作ることはできます。ここでは、現実的に「できること」と「できないこと」をはっきりさせて、ムダな消耗を減らしていきましょう。

この期間に新しい科目や難しい分野をゼロから始めるのは、どうしてもリスクが高くなります。逆に、今までに少しでも触れたことのある単元や、「あと一歩で解けるようになりそうな問題」を重点的に仕上げると、短期間でも点数に反映されやすくなります。

残り1〜2ヶ月で意識したい“現実ライン”

  • 「ゼロからの新科目」には手を出さず、既習分野の完成度アップに集中する
  • 教養科目の中で、短時間で伸ばしやすい分野(文章理解など)を優先する
  • 過去問の解き直しを中心にし、一問一問の理解を深める
  • 生活リズムを崩さず、本番に体調を合わせていくことを大事にする

残り1〜2ヶ月で「全部やり直そう」とするのは、現実的ではありません。それよりも、「これだけは仕上げて本番に持っていく」という“勝負科目”を2〜3つ決める方が、本番の手応えにつながりやすくなります。

また、この時期になると、どうしても精神的なプレッシャーが強くなります。「こんな状態で受けても無駄じゃないか」と思う日があってもおかしくありません。それでも、今年の経験は来年以降の大きな財産になります。出題形式や時間配分の感覚を実際に体験しておくことで、次の受験での不安がぐっと減るからです。

4-4. 社会人・既卒向け:平日2〜3時間でも合格に近づく勉強の組み方

社会人や既卒で働きながら受験する人は、どうしても1日に確保できる勉強時間が限られます。残り半年でも、平日は2〜3時間が精一杯、ということは珍しくありません。それでも、「働きながら受かっている人」が一定数いるのも事実です。ここでは、そんな状況でも逆転を狙うための勉強の組み方を考えていきます。

まず大切なのは、「働きながら受験するのか、一度仕事を区切って専念するのか」という選択です。どちらが正解というわけではなく、生活費・家族の状況・退職後のリスク許容度などによってベストな選択は変わります。

働きながら受験vs退職して専念の比較

  • 働きながら受験する場合
    • メリット
      • 収入が途切れないため、生活の不安が少ない
      • 落ちても「現状維持」なので心理的なプレッシャーがやや軽い
    • デメリット
      • 平日の勉強時間が2〜3時間程度に限られる
      • 仕事の繁忙期に勉強ペースが崩れやすい
  • 退職して専念する場合
    • メリット
      • 1日に5〜8時間程度の学習時間を確保しやすい
      • 集中しやすく、短期間で一気に仕上げられる可能性がある
    • デメリット
      • 収入がない期間が生まれ、精神的なプレッシャーが大きくなる
      • 不合格時の再就職・キャリアプランを事前に考えておく必要がある

どちらの道を選ぶにしても、共通して大切なのは、「平日の最低ライン」と「休日の集中時間」を決めることです。たとえば、働きながらなら「平日は仕事後に必ず1.5〜2時間+通勤時間のスキマ勉強」「休日どちらかは3〜4時間しっかり勉強」のように、週間で合計時間を確保するイメージを持ちましょう。

平日夜は、難しい科目の新しい単元に手を出すよりも、復習や暗記、軽めの演習にあてると続けやすくなります。休日は、まとまった時間を使って数的処理や過去問演習など、頭をフル回転させる科目をやる、といった役割分担を意識すると効率的です。

社会人・既卒の人ほど、完璧を目指すと息切れしやすくなります。「今日は最低これだけやれれば合格」というラインを低めに設定し、調子が良い日はプラスアルファを積み上げるくらいの感覚で続けることが、結果的に一番の近道になります。

ポイント

  • 残り期間ごとに、やるべきことの順番と深さを決めることで、不安を具体的な行動に変える
  • 半年・3ヶ月・1〜2ヶ月で、「新しく増やすより今ある科目を仕上げる」発想を持つ
  • 社会人・既卒は、働きながらか専念かを冷静に比較しつつ、「週間で合計時間を確保する」勉強の組み方を意識する

5. タイプ別に見る「公務員の試験勉強が遅い人」の戦略と志望先の選び方

大学3年・大学4年・社会人/既卒・高卒程度試験など立場ごとに「公務員の試験勉強が遅い」状況を踏まえ、どの試験区分を狙うか・教養のみか専門ありか・今年本命か来年本命かといった現実的な戦略を整理し、自分に合う受験ルートを選べるようにします。

同じ「公務員の試験勉強が遅い」でも、大学3年と社会人とでは置かれている状況がまったく違います。たとえば大学3年なら、今年は経験として受けつつ来年本命、という長期戦も取りやすいですし、大学4年なら「今年で決めたい」という気持ちが強くなりやすいですよね。社会人や既卒の人は、生活費や仕事との両立も絡んでくるため、また別の悩みを抱えがちです。

そして、立場によって選びやすい試験区分や志望先の選び方も変わります。教養のみの試験に絞るか、専門科目までやるか、国家か地方か、どのくらい併願するか…。ここをふんわり決めたまま勉強を続けてしまうと、限られた時間とエネルギーが分散してしまい、どの試験でも中途半端になりやすくなってしまいます。

この章では、立場別に「現実的な戦略」と「おすすめの志望先・試験区分の考え方」を整理していきます。自分の状況に一番近いところをメインで読みつつ、「もし来年以降に回すならこのルートもあるな」と、予備ルートも頭の片隅に置いておくと、心の余裕が少し増えるはずです。

5-1. 大学3年生:これからでも間に合う長期戦の組み立て方

大学3年生で「公務員の試験勉強が遅い」と感じている場合、実はまだ巻き返しやすい立場にいます。3年の夏〜秋に焦り始める人は多いですが、そこから1年〜1年半のスパンで見れば、戦略さえ間違えなければ十分に逆転が狙える期間です。むしろ、「来年の本番までにどう仕上げるか」を長期戦として考えられるのは、3年生ならではの強みだといえます。

まず意識したいのは、「3年生のうちにどこまで進めるか」と「4年生の春〜夏をどう使うか」を分けて考えることです。3年生の段階では、教養科目の基礎固めと試験の全体像をつかむことに重点をおき、専門科目をやるかどうかは志望先を絞ってからでもかまいません。あれもこれもと広げるより、「英語・数的処理・文章理解など、どの試験でも役に立つ部分」を先に固めておくと、4年生になったときに選べる試験の幅が広がります。

あなたの立場別に現実的な公務員戦略を比べる早見表

ここで一度、自分の立場別に「どんな戦略が現実的か」をざっくり比較してみましょう。

タイプ 今年の位置づけ おすすめ戦略の軸
大学3年生 「準備&経験」の年にしやすい 教養の基礎固め+試験情報の収集
大学4年生 「今年で決めたい」人が多い 教養重視+必要に応じて専門を絞る
社会人・既卒 生活との両立が必須 平日2〜3時間+休日集中のメリハリ
高卒程度試験受験 学校行事との両立が課題 教養中心で“取り切る”科目を決める

大学3年のあなたは、この表でいうと「準備&経験がしやすい立場」にいます。3年のうちに1回模試を受けてみる・簡単に過去問をのぞいてみるだけでも、「自分がどこでつまずきそうか」「試験の雰囲気はどんな感じか」が分かり、4年生での動き方がかなり変わってきます。

また、3年の段階なら、インターンやゼミとの兼ね合いを見ながらペースを調整しやすいのもメリットです。公務員一本に絞るか、民間との併願を視野に入れるかも、3年のうちにある程度方向性を決めておくと、4年になってからの迷いが減ります。焦りが出てきたときほど、「今年全部決める」のではなく、「来年本命で戦うために、今年やれることをやる」という視点を持ってみてください。

5-2. 大学4年生:民間就活と両立しながら逆転を狙うポイント

大学4年生で公務員を目指す場合、民間就活との両立問題が大きなテーマになります。すでに民間で内定をもらっている人もいれば、就活でうまくいかず、「やっぱり公務員も視野に入れたい」と考え始めた人もいるでしょう。「公務員一本にするか、併願にするか」が揺れやすいタイミングでもあります。

まず、自分がどのパターンに近いかを整理してみてください。

  • すでに民間内定があり、公務員は「挑戦してみたい第二候補」になっている
  • 民間が思うように進まず、公務員が第一候補に近づいている
  • どちらも決めきれておらず、「とりあえず両方受けておく」状態になっている

公務員の試験勉強が遅いと感じている4年生ほど、ここをあいまいにしたまま、民間と公務員の両方を追いかけて疲弊しがちです。今年どこまで本気で公務員に賭けるかを、いったん自分の中で決めてしまった方が、勉強の優先順位がはっきりします。

戦略としては、4年生のスタートが遅いほど、教養重視・専門科目は志望先を絞って最低限にする方が現実的です。民間の選考や研究室の予定がある中で、広い範囲の専門科目を完璧に仕上げるのは相当ハードだからです。教養のみの区分や、専門科目が比較的少ない試験を中心に志望先を組むだけでも、必要な勉強量はかなり変わります。

「民間か公務員か決めきれない」場合は、時期ごとにどちらに軸足を置くかを決めてしまうのもひとつの方法です。たとえば、春〜初夏は公務員メイン、夏以降は民間も並行、など。どちらも100%でやろうとすると体が持たないので、あえて「今はこっちを優先」と区切ることで、結果的に両方の精度が上がることもあります。

5-3. 社会人・既卒:仕事との両立か退職して専念かの判断基準

社会人や既卒で公務員を目指す人にとって、「仕事を続けながら受験するか、退職して専念するか」は非常に大きな決断です。しかも、公務員の試験勉強が遅いと感じていると、「このまま働きながらでは間に合わないのでは…」と、専念した方がいいのか悩みやすくなります。

ここで大事なのは、「どちらが正解か」ではなく、自分の状況でどちらが“持続可能か”を考えることです。生活費のめど、家族の理解、今の職場の忙しさ、心身の状態など、いくつかの要素を冷静に見ていきましょう。

社会人・既卒が考えたい判断のチェックポイント

  • 生活費の目処があるかどうか
    • 退職しても数ヶ月〜1年程度は生活できる貯金があるか
  • 今の仕事の忙しさ・ストレス度合い
    • 残業が多すぎて、平日の勉強時間がほぼ確保できない状態かどうか
  • 家族やパートナーの理解・協力
    • 受験期間中の生活スタイルの変化に、周囲がどこまで協力してくれそうか
  • 自分のメンタル・体調面の安定度
    • プレッシャーが増えたときに、一人で抱え込みすぎないかどうか

これらを踏まえた上で、「働きながら受験」と「専念して受験」を比べてみてください。どちらを選ぶにせよ、平日と休日で勉強の役割分担をはっきりさせることがカギになります。平日は1〜2時間でもよいので、通勤や休憩時間も含めて「必ず公務員の勉強に触れる時間」を確保し、休日は数時間まとめて演習にあてる、といったスタイルです。

公務員の試験勉強が遅いと感じていても、社会人としての経験は、公務員として働くうえでプラスになる場面が多くあります。面接でのエピソードや、仕事で培ったスキルなど、今の仕事で積み上げたものが無駄になるわけではないことも、覚えておいてくださいね。

5-4. 高卒程度試験を受ける人の戦略(教養重視で行く場合)

高卒程度の公務員試験を受ける人の場合、学校の授業や部活、行事との両立が大きなテーマになります。特に、3年生になってから本格的に「公務員を目指したい」と思い始めた人は、「今さら遅いかな」と不安になりやすいですよね。ただ、高卒程度試験は教養科目中心のところが多く、戦略を絞れば十分に逆転を狙えるケースも少なくありません。

まず意識したいのは、「学校の勉強=公務員対策になる部分」と、「別途対策が必要な部分」を分けて考えることです。たとえば、国語・数学・社会など、普段の授業がそのまま基礎力につながる分野もあれば、数的処理や判断推理など、学校ではあまり扱わない分野もあります。後者は、専用の問題集に早めに触れておくと、他の受験生と差をつけやすくなります。

また、高校生の場合は、どうしても「部活を最後までやり切りたい」「文化祭も楽しみたい」といった気持ちが強くなります。それ自体はとても大切な時間なので、「全部やめて勉強だけにする」必要はありません。むしろ、「部活のある日は30分〜1時間だけでも問題集」「部活のない日は2〜3時間がんばる」といったメリハリを意識した方が続けやすいです。

志望先を決めるときは、自分が通える範囲や、将来やりたい仕事に近い職種を軸にしつつ、「教養のみかどうか」「試験日程はどうか」などもチェックしておくと安心です。模試やオープンキャンパス的な説明会に参加してみるのも、モチベーションを保つうえで効果的です。「今からでも遅いわけではないけれど、戦略は必要」という現実を受け止めつつ、できる範囲でコツコツ積み上げていきましょう。

ポイント

  • 自分の立場(大学3年・4年・社会人・高校生)ごとに、現実的な戦略と今年の位置づけを決める
  • 教養のみか専門ありか、併願の範囲など、志望先・試験区分を「今の自分用」に調整する
  • どの立場でも、完璧を目指しすぎず、「続けられるペース」と「勝負すべき科目」をはっきりさせることが、公務員の試験勉強が遅い状況から抜け出す近道になる

6. 公務員の試験勉強が遅いときこそ大事にしたいメンタルケアと習慣

公務員の試験勉強が遅いと感じているときほど、不安や自己嫌悪、睡眠不足で心身がすり減りやすくなります。この章では、メンタルを守りながら続けるための考え方と、今日から取り入れやすい習慣・頼れる相談先の例を整理します。

「みんなはちゃんと進んでいるのに、自分だけ遅れている」と感じていると、それだけで胸が苦しくなりますよね。公務員の試験勉強が遅いと自覚している人ほど、「ここで頑張らないと終わりだ」と自分を追い込みがちです。その結果、焦りと不安が強くなり、勉強に手がつかなくなってしまう…という悪循環に陥ることも少なくありません。

でも、本番までの期間は思っている以上に長丁場です。短期間だけ無理して走るのではなく、心と体を壊さずにゴールまでたどり着くことのほうが、合格にとってはずっと大事になります。この章では、「気合いで乗り切る」ではなく、「気持ちと生活を整えながら続ける」ための具体的なコツを一緒に見ていきましょう。

メンタルケアというと大げさに聞こえるかもしれませんが、やることはとてもシンプルです。自分を責めすぎない考え方、続けやすい1日のリズム、モチベーションが落ちたときの小さな工夫、そして本当にしんどくなったときの相談先をあらかじめ決めておくこと。どれも、少し意識するだけで勉強を続けやすくしてくれる大事なピースです。

6-1. 焦りや自己嫌悪で勉強が手につかないときの考え方

遅れている自覚があると、「なんで自分はもっと早く始めなかったんだろう」と、過去の自分を責めてしまいがちです。そうなると、「勉強しなきゃ」と思うほど気持ちが沈み、手が止まってしまいますよね。ここで覚えておきたいのは、焦りや自己嫌悪は“エンジン”ではなく、ブレーキになりやすい感情だということです。

まず意識してほしいのは、「事実」と「解釈」を分けて考えることです。たとえば「勉強を始めたのが遅かった」「まだ過去問をあまり解いていない」というのは事実ですが、そこから「だから自分はダメだ」「どうせ受からない」に飛びついてしまうのは解釈の部分です。事実だけを見れば、「今からどうリカバリーするか考える余地」はまだ残っています

勉強がしんどいときに見直したい3つの視点

  • 過去ではなく「今日から先」に目を向ける
    • 「もっと早くやればよかった」ではなく、「今日から何を変えられるか」を考える。
  • 他人のペースではなく「自分の前回」と比べる
    • 昨日より10分多く机に向かえたなら、それは立派な前進です。
  • 「全部やる」ではなく「今やる1つ」を決める
    • 今日は数的処理の1ページだけ、のようにハードルを下げてみる。

自己嫌悪が強いときほど、「こんなペースじゃ意味がない」と思ってしまいやすいですが、ゼロより1のほうがずっと価値があります。1日10分の勉強でも、1週間続ければ70分、1ヶ月で数時間分の積み上げになります。「今日はこれだけでもOK」と認める感覚を持つことが、結果的に勉強時間を増やす近道になります。

6-2. 「続けられる」ための1日のリズムと休憩の取り方

メンタルを保つうえで、意外と大きな役割を持つのが1日のリズムです。睡眠時間が乱れたり、食事が適当になったりすると、集中力ややる気が落ちやすくなります。公務員の試験勉強が遅いと感じている人ほど、「時間がないから」と生活リズムを削りがちですが、これは長期戦では大きなマイナスになりやすいポイントです。

1日のリズムを整えるといっても、難しいことをする必要はありません。大事なのは、毎日おおよそ同じ時間に起きて、同じ時間に勉強を始める「勉強のスイッチ時間」を決めることです。その時間になったら、内容はどうであれ、とりあえず机に座る・参考書を開く、といった行動を習慣化していきましょう。

1日の勉強ルーティン4ステップ

  1. 起きてから1〜2時間以内に軽めの勉強をする
    • 単語や暗記、前日の復習など、頭のウォーミングアップになるものがおすすめです。
  2. 昼〜夕方に「集中ブロック」を1〜2コマ作る
    • 30〜50分勉強+5〜10分休憩のセットを意識します。
  3. 夜は「重い新分野」より復習や軽い演習を中心にする
    • 眠気が強い時間帯は、理解よりも定着を意識すると続けやすくなります。
  4. 寝る前に明日の「やること1つ」をメモしておく
    • 「明日は数的処理の例題」など、具体的に書くとストレスが軽くなります。

休憩の取り方も、メンタルケアには重要です。長時間ぶっ通しで勉強するより、短く集中してこまめに休む方が、結果的には総勉強時間も増えやすいです。休憩時間には、ずっとスマホを見続けるより、軽く体を動かしたり、目を閉じて深呼吸したりすると、頭をリフレッシュしやすくなります。

6-3. モチベーションが落ちたときに試したい小さな工夫

どれだけやる気がある人でも、モチベーションが落ちる日は必ず来ます。「自分には向いていないのかも」「こんなに遅れていて本当に意味があるのか」と感じてしまう瞬間もあるはずです。そんなときに必要なのは、「やる気を出す」ことではなく、「やる気がなくても動ける仕組み」をいくつか用意しておくことです。

モチベーションは波があるもの、と割り切ってしまうと、心が少し楽になります。調子のいいときに多めに進めておき、調子の悪い日は「最低限だけやって休む」と決めておくことで、全体としての勉強量とメンタルのバランスを取りやすくなります。

やる気が出ない日に使える工夫の例

  • 「5分だけやる」を自分と約束する
    • 5分だけ参考書を開く、5問だけ解く、などハードルを下げると動きやすくなります。
  • 終わったら自分に小さなご褒美を用意する
    • 好きなお菓子・動画・ゲームなど、「ここまでやったらOK」のご褒美を決めておく。
  • 勉強内容ではなく「環境」を変えてみる
    • 図書館やカフェ、自習室など、場所を変えるだけで気分も変わります。
  • 同じ目標を持つ人の話を聞いてみる
    • 友人や先輩に話を聞くことで、孤独感が和らぐこともあります。

こうした工夫は、一見するとささいなことに思えるかもしれません。でも、1回1回の「もういいや」を踏みとどまる力になってくれます。モチベーションが落ちている自分を責めるのではなく、「そんな日もあるよね」と認めつつ、できそうな範囲で少しだけ前に進むイメージを持ってみてください。

6-4. つらくなりすぎたときに頼れる相談先の例

どれだけ工夫しても、「もう本当にしんどい」「勉強どころか日常生活もつらい」と感じることがあります。特に、公務員の試験勉強が遅いと感じている人は、「ここで諦めたら終わりだ」と自分を追い詰めてしまいやすく、その分、心が折れるまで我慢してしまうことも少なくありません。

そんなときは、一人で抱え込みすぎないことが何より大切です。「周りに迷惑をかけたくない」と思うかもしれませんが、限界まで頑張って倒れてしまうより、早めに誰かに相談してペースを調整した方が、長い目で見て必ずプラスになります。

勉強がつらいときに考えたい相談先の例

  • 学校の先生・ゼミの教員・進路指導の先生
    • 大学や高校なら、進路相談の窓口が用意されていることが多いです。
  • 予備校・通信講座のチューターや講師
    • 勉強の進み具合や計画の相談に乗ってもらえることがあります。
  • 家族や信頼できる友人
    • 「遅れていて不安」「今年どうするか迷っている」と素直に話すだけでも、気持ちが軽くなります。
  • 学校や自治体の相談窓口(学生相談室など)
    • 勉強だけでなく、気持ちのしんどさそのものを聞いてもらえる場所です。

「このくらいで相談するなんて甘えかな」と感じる人もいるかもしれませんが、つらさの度合いは人それぞれです。眠れない日が続く、食欲が落ちている、涙が止まらない、などのサインがあるときは、勉強を一度ストップして休む勇気も必要です。合格は大切ですが、あなた自身の心と体のほうがずっと大事だということを、どうか忘れないでください。

相談することで、「今年は経験として受けて、来年本命にしよう」といった新しい選択肢が見えてくることもあります。頑張り屋さんほど、自分に厳しすぎることがあります。頑張ることと、自分を追い詰めることは違うと意識しながら、使えるサポートは遠慮なく使っていきましょう。

ポイント

  • 焦りや自己嫌悪は勉強のブレーキになりやすい感情と理解し、「今日から先」に目を向ける
  • 続けられる1日のリズムや、やる気がなくても動ける小さな工夫を用意しておく
  • 本当にしんどいときは一人で抱え込まず、学校・予備校・家族・相談窓口などに早めに相談し、自分の心と体を守ることを最優先にする

7. Q&A:よくある質問

「公務員の試験勉強が遅い」と不安な人が持ちがちな5つの疑問に対して、今年どこまで目指せるか・どこを絞ればいいか・来年とのバランスなどをコンパクトに整理し、本文を読み直さなくても判断のヒントが得られるようにします。

ここまで読んで、「なんとなく分かったけど、自分の状況だとどう考えればいいんだろう?」と感じているかもしれません。そこでこの章では、よくある5つの質問を取り上げて、公務員の試験勉強が遅いときの現実的な考え方をコンパクトにまとめました。

細かい理屈よりも、「自分はこのケースに近いから、まずこうすればよさそうだな」と、次の一手がイメージしやすい答えを意識しています。迷ったときに立ち返れる“早見表”として、何度でも使ってみてくださいね。

7-1. 大学3年の秋・冬スタートはもう遅いですか?

結論からいうと、大学3年の秋・冬スタートはまだ十分に間に合うラインです。むしろ、ここから1年〜1年半かけて長期戦を組めるので、戦略さえ間違えなければ逆転しやすい立場ともいえます。

このタイミングで大事なのは、教養科目の基礎固めを先に始めることと、試験の全体像を早めに把握しておくことです。専門科目をやるかどうかは、志望先を絞ってからでも構いません。3年のうちに「毎週これだけはやる」というリズムを作り、4年の春〜夏を演習と仕上げ期間にできれば、十分に合格を狙えるポジションに入っていけます。

7-2. 大学4年の春から勉強を始めても合格できますか?

大学4年の春スタートになると、「どの試験をどこまで受けるか」を絞れるかどうかが鍵になります。教養+専門を広く併願するのは現実的にかなりきついので、教養のみの試験や、専門科目が少なめの区分を中心に戦うイメージが大事です。

ポイントは、「全部やる」より「絶対に点を取りたい科目を決める」こと。数的処理や文章理解など、出題頻度が高い科目を軸に、暗記系は「ここまではやる」「ここは捨てる」をはっきりさせましょう。残り期間と1日の勉強時間をセルフチェックしたうえで、今年本命でいくか、今年は経験+来年本命にするかを決めると、無理のない計画が立てやすくなります。

7-3. 社会人で1日2〜3時間しか取れませんが受かる可能性はありますか?

1日2〜3時間でも、半年〜1年単位で積み上げれば十分な勉強量になります。ただ、ダラダラやるとあっという間に時間が過ぎてしまうので、「平日は○時間+通勤時間」「休日どちらかはまとまった演習」というふうに、週間単位で合計時間を設計することが重要です。

社会人の場合、全部の試験に手を出すのはかなり負担が大きいので、教養中心・専門少なめ・試験日程が重なりすぎないといった観点で志望先を絞りましょう。平日は復習や暗記、休日に数的処理や過去問をがっつりやるなど、時間帯ごとに役割を決めておくと、1日2〜3時間でも着実に力が積み上がっていく感覚を持ちやすくなります。

7-4. 専門科目までやるべきか、教養だけに絞るべきか迷っています

迷ったときは、「残り期間」「1日あたりの勉強時間」「もともとの専攻や得意分野」の3つで考えてみてください。時間とエネルギーに余裕があるなら専門まで広げる選択もありますが、スタートが遅い・勉強時間が限られている場合は、教養を軸に戦える試験を優先する方が現実的なことが多いです。

専門科目をやるなら、すべてを完璧にするのではなく、志望先で特に比重の高い数科目に絞るのがおすすめです。逆に、「専門も…教養も…」と広げすぎると、公務員の試験勉強が遅い人ほどどちらも中途半端になりがちです。セルフチェックの結果を踏まえて、今年は教養メイン+一部専門、来年本命でフル対応といった二段構えにするのも十分アリな戦略です。

7-5. 今年と来年、どちらに本気を出すか決めきれないときは?

どちらに本気を出すか迷うときは、まず「今年どこまで戦えそうか」を数字ベースでざっくり確認することから始めましょう。残り日数×1日あたりの勉強時間を計算し、これまでの勉強量も足したうえで、「今年本命でいけそう」「工夫すればギリギリ」「かなり厳しい」のどれに近いかを感じてみてください。

そのうえで、心身の余裕や生活状況も加味して決めるのがおすすめです。「今年落ちたら後がない」というプレッシャーが強すぎるなら、今年は経験として受けつつ、来年本命で合格を狙う選択も立派な戦略です。逆に、「今が一番時間を取りやすい」と感じるなら、今年本命で走り切る価値があります。どちらを選んでも、今からの積み上げが来年以降にも必ず生きると考えて、一番後悔の少なそうなほうを選んでみてください。

ポイント

  • 不安なときほど、自分のケースを「いつ・誰・どれくらい勉強できるか」で具体的に切り分ける
  • 今年本命か来年本命かは、勉強時間の見込みと生活状況のバランスで決める
  • どの選択をしても、今やる勉強は来年以降にも必ず積み上がると考えて、一番納得できるルートを選ぶ

8. まとめ

公務員の試験勉強が遅いと感じていても、NG勉強法をやめて現実的なラインを見きわめ、残り期間に合ったロードマップと自分のタイプに合う戦略を組み立てれば、今年も来年もムダにならない形で合格に近づいていけることを整理します。

8-1. 全体の振り返り・押さえておきたい前提

ここまで見てきたように、「公務員の試験勉強が遅い」=もう終わりではありません。大事なのは、「スタートが遅いのか」「進みが遅いのか」「両方なのか」を切り分けて、自分の現在地をできるだけ具体的に把握することでした。なんとなく「みんなより遅れている気がする」と不安になるより、残り期間や勉強時間を数字で見ていくほうが、現実的な対策を選びやすくなるはずです。

そのうえで、一番のポイントは、時間がない人ほど勉強法の質が重要になるという前提でした。テキストを最初から読み込むだけ、全科目に手を出してどれも中途半端、問題を解きっぱなしで復習しない…。こうしたNG勉強法は、「真面目に頑張っているのに点が伸びない」状態を生みやすいです。逆にいえば、これらをやめるだけでも、同じ時間で取れる点数は確実に変わってくるということでもあります。

さらに、残り半年・3ヶ月・1〜2ヶ月という期間別に、何をどこまでやるかを整理してきました。これは、「今年どこまで本気で狙うか」「来年にどこまでつなげるか」を考えるための地図です。今年本命でいくのか、今年は経験受験で来年本命にするのかは、人それぞれの状況によって変わりますが、どちらを選んでも、今日からの勉強は必ず次につながります。

最後にもう一度確認しておきたいのは、「合格も大事だけれど、あなた自身の心と体はもっと大事」ということです。生活リズムを壊すほど無理をしたり、ひとりで追い詰め続けたりすると、勉強どころではなくなってしまいます。メンタルケアや相談先を確保しながら走ること自体が、長期戦で戦うための大切な戦略だと覚えておいてくださいね。

8-2. 今後も意識したいポイント

これから勉強を続けていくうえで、特に意識しておきたいポイントを、少し整理しておきます。まずひとつ目は、「全部やる」ではなく「何を捨てるかも決める」ことです。科目や単元を欲張りすぎると、どれも浅く終わってしまいます。自分の得意・不得意や出題頻度を踏まえて、「ここは得点源にする」「ここは最低限」「ここはほぼ捨てる」とメリハリをつける意識を持ちましょう。

ふたつ目は、復習と解き直しの時間をちゃんと確保することです。問題をたくさん解くことより、間違えた問題をきちんとできるようにするほうが、結果として点数アップにつながります。1日の勉強時間のうち、最低でも3〜4割は復習にあてるつもりで予定を組んでみてください。これだけで、「やったのに忘れた…」というモヤモヤが減り、手応えも少しずつ変わっていきます。

三つ目は、「続けられる生活リズム」を守ることです。深夜までの詰め込みや、体調を崩すような無理は、短期的には頑張っている気がしても、長い目で見ると大きなマイナスになりがちです。毎日決まった時間に少しでも机に向かう、寝る前にスマホを触りすぎないなど、小さな生活習慣が勉強の土台を作ってくれます。

そして四つ目として、「ひとりで抱え込まない」ことも忘れないでください。学校の先生、予備校のスタッフ、家族や友人など、話を聞いてもらえる相手がいるだけで、気持ちはかなり軽くなります。「こんなことで相談していいのかな?」とためらうより、少しでも早く声をかけてみるほうが、結果的に勉強にも良い影響が出やすくなります。

8-3. 今すぐできるおすすめアクション!

ここまでたくさんの情報を見てきて、「結局、自分は何から始めればいいんだろう?」と感じているかもしれません。そこで最後に、今日からすぐにできる具体的な一歩をいくつか挙げておきます。全部やろうとしなくて大丈夫なので、「これならできそう」と思うものを、まずはひとつ選んで試してみてください。

  • 自分がどの「遅れタイプ」かを書き出す
    • スタートが遅いのか、進みが遅いのか、両方なのかを紙にメモして、今の状況を言葉にする
  • 試験本番までの残り日数と1日あたりの勉強時間をざっくり計算する
    • カレンダーを見ながら、「あと何ヶ月/何日」「平日は何時間、休日は何時間」と現実的な数字を出してみる。
  • やめるNG勉強法を1つだけ決めて、今日から封印する
    • たとえば「テキストを最初から読まない」「新しい参考書を増やさない」など、一番当てはまるNGを1つ選んでやめる
  • 「勝負科目」として伸ばしたい科目を2〜3つ決める
    • 数的処理・文章理解・暗記系などから、点を取りに行く軸をはっきりさせる。
  • 1週間のざっくり勉強スケジュールを紙に書く
    • 「月曜は数的」「水曜は過去問」など、曜日ごとのテーマを決めて、迷う時間を減らす。
  • 明日やることを具体的に1つだけメモしてから寝る
    • 「数的処理の例題を5問」「文章理解を1セット」など、小さく具体的なタスクにする。
  • 不安になったときに相談できる人・窓口を1つ思い浮かべておく
    • 先生・家族・友人・チューターなど、「困ったらここに話そう」という候補を決めておく。

どのアクションも、やろうと思えば今日からすぐに始められるものばかりです。大事なのは、「完璧なスタートを切る」ことではなく、「止まっていた状態から少しでも前に進む」こと。公務員の試験勉強が遅いと感じていても、ここからの一歩一歩で、十分に合格へ近づいていけます。

もしまた不安になったり、計画を見直したくなったりしたら、この記事のセルフチェックや逆転ロードマップの部分に戻ってきてください。何度でも立て直していいし、そのたびに少しずつ前の自分より強くなっていけば大丈夫です。

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