やらかしは即不合格ではなく、失点は「種類」と「重なり方」で決まるので、ミスを分類して見立てを作れば不安は行動に変えられます。
英検の二次試験(面接)が終わった直後って、「終わった…やらかした…」の一言に全部が詰まりますよね。沈黙してしまった、聞き返しすぎた、言いたい単語が出てこなかった。思い返すほど、心臓がぎゅっとなる人も多いでしょう。
ただ、ここで先に伝えたいのは「やらかした=落ちた」ではない、ということです。面接の失点は、ミスの種類だけでなく、その後の立て直し方や、他の受け答えとのバランスで変わります。つまり、点数の話は“感覚”で決めつけるほど苦しくなりやすいんです。
この記事では、「何点くらい減る?」と考える前にやるべき整理をしたうえで、よくある失点をパターン別に分解します。さらに、面接中に挽回しやすい動き方、結果待ちの期間にやっておくと次回がラクになる練習もまとめます。読み終える頃には、今の不安が少し具体的になり、次の一歩が決めやすくなるはずです。
この記事はこのような人におすすめ!
- 二次試験が終わってから、失敗ばかり思い出してしまう
- 沈黙・聞き返し・言い直しが多くて「何点減ったか」が気になる
- もし落ちていたときに備えて、次回の準備を最短で進めたい
目次 CONTENTS
1. 英検二次試験でやらかした直後に知りたい結論
やらかし=即アウトではありません。失点は「種類」と「重なり方」で変わるので、まずは自分のミスを整理して見立てを作り、不安を行動に変えます。
二次試験が終わった直後って、頭の中が“失敗のリプレイ”でいっぱいになりがちです。沈黙した場面だけが何度も浮かんで、「あれで何点落ちたんだろう…」と考え続けてしまいますよね。
でも、まず落ち着いてほしいのは、面接は“ミスの有無”だけで合否が決まるものではないことです。失点はたしかにありますが、どの種類のミスか、そして同じミスが重なったかで体感のダメージが大きく変わります。
さらに言うと、試験直後に出る「もうダメだ…」という感覚は、案外当てになりません。緊張が強いほど、できた部分が記憶から消えて、できなかった部分だけが強調されやすいからです。ここを整理できると、気持ちが少し楽になります。
この章では、「何点くらい減る?」を考える前に、現実的な見立てを作るための前提をそろえます。自分を責める方向ではなく、状況を言語化していくイメージで読み進めてください。
1-1. 「やらかした」の多くは減点で済む:まず結論だけ先に
面接でよくある“やらかし”の多くは、即アウトというより減点に寄るものが多いです。たとえば、単語が出ずに言い換えた、1回聞き返した、言い直した、音読で少し噛んだ。こういう出来事は、起きた瞬間は焦りますが、そこで終わりではありません。
大事なのは、そのあとに会話を続けたかです。短くても答えを返した、関連することを付け足した、落ち着いて次の質問に移った。これができると、失点が広がりにくくなります。
逆に響きやすいのは、ミスそのものより、ミスをきっかけに崩れてしまうことです。沈黙が長く続く、質問と関係ない話を続ける、慌てて早口になって内容が伝わらなくなる。ここで点が落ちやすくなります。
「やらかした」と感じている人ほど、実は部分的には取れている点があります。だから最初にやるべきは、落ちた前提で悩むことではなく、何が起きたかを分解して見立てを作ることなんです。
1-2. 何点くらい減る?を考える前に押さえる採点の見方
「何点くらい減った?」の答えをいきなり数字で出したくなる気持ち、すごく分かります。ただ、ここでいったん視点を変えるとラクになります。
面接は、ざっくり言えば「内容が伝わったか」「英語として成立しているか」「会話として成立しているか」「印象が悪くなりすぎていないか」という複数の観点の積み上げです。だから、1個のミス=◯点減点みたいに固定しにくいんですね。
同じ“聞き返し”でも、丁寧に聞き返してすぐ答えられたならダメージは小さめです。一方、聞き返しが連続して、答えも短くなって、会話が途切れ続けたなら、影響は大きくなります。ここが「種類と重なり方」の話です。
つまり、点数の見立ては「ミスの回数」よりも、ミスがどの系統に偏ったかと、その後に立て直したかで考えるほうが現実に近いです。このあと第2章で、失点パターンごとの“響き方の目安”を具体的に整理します。
ここでのゴールは、無理に数字を当てることではありません。自分の状況を「パターン」に落として、必要以上に怖がらない状態を作ることです。
1-3. 結果待ちの不安を減らす“当日〜翌日”の整理法
試験直後は、気持ちが荒れているので、頭の中の反省会が暴走しやすいです。そこでおすすめなのが、紙でもメモでもいいので、起きた事実を短く記録すること。感情ではなく、出来事だけを書きます。
不安を“見立て”に変えるための3ステップ
- 「やらかし」を最大3つまで書く
- 各やらかしを一言で分類する(沈黙/聞き返し/語彙不足/質問ズレ…)
- それ以外に「できたこと」を同じ数だけ書く(答えられた質問、言い換えできた等)
この3ステップをやると、「失敗しかしてない」という錯覚が薄れます。実際には、できた部分もあるのに、脳が失敗だけ拾っていることが多いからです。
いま使える“簡易チェック”
- 沈黙が長く続いた:0回/1回/複数回
- 聞き返し:0〜1回/2〜3回/それ以上
- 質問の取り違え:なし/1回/複数回
- 自分の意見+理由:だいたい言えた/半分くらい/ほぼ言えない
- 最後まで会話は続いた:はい/途中で崩れた感じ
このリストの目的は、合否を断定することではありません。自分の状態を「客観に寄せる」ことです。もし“途中で崩れた感じ”が強いなら、第3章のリカバリー(立て直し)を先に読むと、次回への不安がスッと減ることがあります。
ポイント
- 失点はミスの種類と重なり方で変わる
- 試験直後の「落ちた感覚」はできた部分を見落としやすい
- まずは事実を整理して、不安を見立てに変える
2. よくある失点パターン別:どれくらい響くかの目安
失点は「内容」「英語の形」「会話のつながり」「態度・聞き取り」の4系統に分けると見立てしやすく、同じミスでも対応でダメージが変わります。
「やらかした=何点減った?」を考えるとき、まずやってほしいのが“まとめて反省”をやめることです。面接の失点は、全部が同じ重さで落ちるわけではありません。むしろ、ミスの性質で響き方が違います。
ここでは、失点を4つの系統に分けて整理します。どの系統のミスが多かったかが分かると、「思ったより致命傷ではない」「ここが弱点だから次回ここだけ直そう」が見えてきます。
4系統はこんなイメージです。
- 内容:質問に合っているか、理由があるか
- 英語の形:文法・語彙・発音で伝わるか
- 会話のつながり:沈黙、広げ方、やり取りの流れ
- 態度・聞き取り:声量、目線、聞き返しの仕方
同じ“沈黙”でも、短く立て直せたなら被害は小さめです。逆に、沈黙→焦り→質問ズレ…のように連鎖するとダメージが大きくなりがち。ここを具体的に見ていきましょう。
2-1. 沈黙・詰まり・言葉が出ない:一番気になる失点の正体
沈黙は、多くの人がいちばん怖がるやらかしです。「黙った時点で終わりだ」と感じやすいからですね。でも、沈黙が問題なのは“黙ったこと”そのものより、黙っている時間が長く続くことと、その後に会話が戻らないことです。
一瞬の詰まりなら、実は面接の現場では珍しくありません。相手も人間なので、「考えているんだな」と受け取られることもあります。ここで勝負を分けるのは、詰まったあとに短くても言い直して返す、または別の言い方に切り替える動きです。
沈黙が長いほど、内容面(答えがない)と会話面(やり取りが止まる)の両方で失点が重なりやすい、というのが“響く理由”です。つまり、沈黙は単独で怖いというより、失点が重なりやすいトリガーになりやすい、と捉えると現実に近づきます。
沈黙が“要相談レベル”か判断するケース分け表
(使い方:自分の沈黙がどこに近いか、最も近い列を選びます)
| 状況 | 目安の印象 | ありがちな失点の広がり | 次回の対策の優先度 |
|---|---|---|---|
| 2〜3秒程度の詰まりが1回 | 考えている範囲 | 広がりにくい | 低〜中 |
| 5〜7秒程度が数回 | 流れが切れやすい | 会話のつながりで落ちやすい | 中 |
| 10秒以上の沈黙がある | 回答不能に見える | 内容+会話で重なりやすい | 高 |
| 沈黙→焦って質問ズレ | 立て直し失敗 | 内容も落ちやすい | 最優先 |
表から読み取れるのは、「沈黙があったか」より、沈黙の長さと、その後の戻り方が重要ということです。もし下2つに当てはまるなら、第3章の立て直しテンプレを覚えるだけで、次回の失点はかなり減らせます。
2-2. 聞き返し・聞き取れない:減点されにくい立て直し方がある
聞き返しは「何回までOK?」と数で悩みがちですが、見立てのポイントは回数より聞き返し方です。聞き返しが丁寧で、聞き取れたあとにしっかり答えられれば、失点は必要以上に膨らみません。
一方で、聞き返しが増えると起きやすいのが「焦り→答えが短くなる→会話が伸びない」という連鎖です。ここで会話のつながりまで落ちると、体感より点が削られている可能性が上がります。
聞き返しは“聞き取れない自分”が恥ずかしくて、つい黙ってしまう人がいます。でも、黙るよりは、短い聞き返しで会話を動かしたほうが安全です。つまり、聞き返し自体は悪ではなく、沈黙を防ぐ手段にもなります。
この章の結論としては、聞き返しで怖いのは「聞き返したこと」ではなく、聞き返しが続いて回答の中身が薄くなること。ここが響くラインです。
2-3. 文法ミス・単語ミス:致命傷になりやすい/なりにくい線引き
文法や語彙のミスは、やらかした本人だけが大きく感じやすいタイプです。特に、言い終わった直後に「時制ミスした…」「三単現のs…」と気づくと、頭が真っ白になりやすいですよね。
ただ、ここは線引きができます。致命傷になりやすいのは、ミスが多いことよりも、ミスによって意味が反対になったり、何を言いたいかが伝わらなくなるケースです。逆に、多少の形のミスがあっても、意味が通っていれば点が残ることは珍しくありません。
また、単語が出ないときに言い換えができたなら、それは“失点”だけでなく挽回材料にもなります。「正確さ」より「伝達」が優先される場面は多いので、完璧主義で崩れないことが大切です。
致命傷になりやすいミス/なりにくいミス
| ミスのタイプ | 致命傷になりやすい例 | ダメージが小さめの例 | その場の挽回 |
|---|---|---|---|
| 文法 | 主語・否定で意味が逆 | 冠詞・sなど細部 | 言い直して短く補正 |
| 語彙 | キーワードが不明で伝わらない | 近い語で言い換え | 具体例を足して補う |
| 発音 | 重要語が別の語に聞こえる | 少し訛る程度 | ゆっくり言い直す |
この表の見方はシンプルで、「伝わったかどうか」で判断します。試験後に思い出すときも、「ミスした」ではなく、相手に意味は届いたかで仕分けするだけで、不安が少し落ち着きます。
2-4. ずれた回答・質問の取り違え:ここで崩れる人が多い
失点の中で、見立てとして注意したいのが質問ズレです。なぜなら、質問ズレは「内容」の軸で点が落ちやすく、しかも本人は一生懸命話しているので、気づかないまま失点が重なることがあるからです。
たとえば、理由を聞かれているのに具体例だけ話して終わる。意見を求められているのに事実説明だけで止まる。こういうズレは、英語が多少正しくても評価が伸びにくくなります。
ただし、1回ズレたとしても、途中で「あ、違う」と気づいて軌道修正できたなら、傷は浅くなります。逆に、最後までズレたままだと、点が取りにくい。ここが響く差です。
「やらかした感」が強い人ほど、実はこの質問ズレが混ざっていることが多いので、第3章で“答えの型”を覚えると、次回はかなり安定します。
2-5. 音読で噛む・読み間違い:失点を広げないコツ
音読で噛むと、「最初から印象が悪い」と感じる人が多いです。でも、音読はミス1回で終わるというより、その後の質問パートで取り返しやすい領域でもあります。
噛んだときに危険なのは、そこで焦ってスピードが上がり、さらに読み間違いが連鎖することです。逆に、噛んでも落ち着いて区切りを作り、聞こえる声で読み切れば、ダメージは広がりにくくなります。
「音読を失敗したから落ちた」と決めつけるより、「音読で崩れたせいで後半も崩れたか?」を見てください。もし後半は普通に受け答えできたなら、過度に怖がらなくて大丈夫です。
2-6. 態度が硬い・声が小さい・視線が泳ぐ:意外と効く“伝わり方”
最後に、見落とされがちだけど効きやすいのが“伝わり方”です。声が小さい、語尾が消える、早口で聞き取りにくい、ずっと下を向く。こういう要素は、内容以前に「会話が成立しにくい」方向へ寄ってしまいます。
ただ、ここも救いがあります。態度系のミスは、英語力よりもコントロールしやすいからです。次回は「ゆっくり」「語尾まで」「一文を短く」を意識するだけで改善します。
もし今回、内容よりも「緊張で声が出なかった」「顔がこわばった」感覚が強いなら、それは失点よりも、次回の伸びしろと考えていいです。第4章の短期メニューで、ここは上げやすいところです。
ポイント
- 失点は「内容/英語の形/会話のつながり/態度・聞き取り」に分けると整理しやすい
- 怖いのは“ミス単体”より、失点が連鎖して重なること
- 「伝わったか」を軸に仕分けすると、必要以上の自己採点を避けられる
3. 「挽回できた人」がやっている面接中のリカバリー
面接は1問ごとの勝負に見えて、実は“立て直しの上手さ”が評価に影響します。テンプレを持つと失点を最小化できます。
面接での“やらかし”って、内容そのものより「その瞬間の焦り」で失点が増えることが多いです。沈黙した→頭が真っ白→言葉が出ない→質問ズレ…という流れですね。ここがいちばんもったいないところ。
逆に、受かる人(あるいは「ボロボロだったのに受かった」と感じる人)は、完璧に答えているというより、ミスをしても会話を止めない技術を持っていることが多いです。つまり、リカバリーは才能というより、型で作れます。
この章では「ミスした直後の10秒」と「答えが薄いときの広げ方」、そして「絶対にやらないほうがいい動き」をテンプレ化してまとめます。暗記というより、1〜2個だけでも持って帰るイメージでOKです。
3-1. 10秒で立て直す“つなぎフレーズ”テンプレ
ミスした直後にまず必要なのは、考える時間を作りつつ、会話を止めないことです。ここで沈黙が長くなると、内容と会話のつながりが同時に落ちやすくなります。だから、最初に出す一言は「正解の英語」より、時間を稼いで流れを保つ英語が役に立ちます。
言葉が出ないときほど、「えーっと…」で固まるより、短い定型句を置くほうが安全です。しかも、この定型句は、発音が多少崩れても通りやすいので、緊張時に強いです。
ミス直後の10秒リカバリー4ステップ
- つなぎの一言を置く(時間を作る)
- 質問を言い換えて確認する(ズレ防止)
- 結論を短く言う(まず一文)
- 理由か例を1つ足す(薄さ回避)
ここで大事なのは、2番目の「確認」です。質問ズレは失点が重なりやすいので、短く確認できるだけで安全度が上がります。
そのまま使える“つなぎフレーズ”集(シンプル優先)
- Let me think for a moment.(少し考えさせてください)
- That’s an interesting question.(興味深い質問ですね)
- In my opinion, …(私の意見では…)
- I think … because …(…だと思います。理由は…)
- For example, …(例えば…)
- Could you say that again, please?(もう一度言ってください)
- Do you mean … ?(…という意味ですか)
「これ全部覚える」は不要です。おすすめは、Let me think for a moment. と I think … because … の2つ。これだけで、沈黙と薄い回答の両方をかなり減らせます。
つなぎ句を入れたら、次は“短い結論”を置きにいきます。完璧な文を作ろうとすると止まるので、短くてもいいから一文で返す。そのあとで理由や例を足す流れにすると、焦りが抑えられます。
3-2. 答えが薄いときの“広げ方”3パターン
「答えたけど一文で終わった」「理由が出ない」も、やらかし感が強いポイントですよね。ここで沈黙に入ると失点が連鎖しやすいので、“広げ方”を3つだけ持っておくと安心です。
広げるといっても、長く話す必要はありません。むしろ、短い英語で、筋道を見せるほうが安定します。目標は、理由か例が1つ入った2〜3文です。
広げ方3パターン(骨組みはこの3つで足りる)
- 理由足し型:結論 → because → 理由1つ
- 具体例型:結論 → for example → 例1つ
- 比較型:AよりB → because → 理由
たとえば「賛成?」なら、まず I think yes. と言ってしまっていいです。続けて because… と理由を1つ言う。もし理由が弱いと思ったら、for example で具体例を入れる。これで“会話っぽさ”が出ます。
「うまい英語を言う」ではなく「構造を作る」感覚です。構造ができると、多少の単語ミスがあっても、相手は意味を拾いやすいので、点が残りやすくなります。
もし意見が思いつかないときは、背伸びした主張をしないのもコツです。身近な例(学校、家、スマホ、アルバイトなど)に寄せると、語彙が出やすく、沈黙も減ります。
3-3. ミスした直後にやってはいけないNG行動
ミスをしたとき、焦りから“悪い動き”が出ると、点がガタッと落ちやすくなります。ここは知っているだけで防げるので、覚えておく価値があります。
NG行動リスト:点が落ちやすい理由つき
- 長い沈黙で固まる(会話が止まり、失点が重なる)
- 質問に関係ない話を続ける(内容の評価が取りにくい)
- 完璧な英文を作ろうとして止まる(時間切れ・沈黙につながる)
- 早口でまくしたてる(聞き取りづらく、伝達が落ちる)
- 同じ答えを言い直し続ける(情報が増えず、評価が伸びにくい)
- あきらめた雰囲気を出す(声量・態度で不利になりやすい)
代わりにやるべきことはシンプルで、短い一文で返して会話をつなぐことです。止まるくらいなら、短くてもいい。ズレそうなら確認する。これだけで、失点の連鎖を断ち切れます。
「やらかした…」の記憶が強い人ほど、実は“ミスそのもの”より、このNG行動が混ざっていた可能性があります。次回は、テンプレを1つ持って入るだけで、点の落ち方が変わってきます。
ポイント
- リカバリーは才能ではなく、テンプレで作れる技術
- まずは「つなぎ句→短い結論→理由か例」の順で立て直す
- ミス後のNG行動を避けるだけで、失点の連鎖を止められる
4. 結果待ち期間にやること:次回に効く最短リカバリー
結果がどうであってもムダにならない練習だけを残すと、気持ちが安定し、次回の合格確率が上がります。
結果発表までの期間って、気持ちが宙ぶらりんになりやすいですよね。「落ちたらどうしよう」と思う一方で、「まだ結果出てないし…」と手が止まりがちです。ここで大事なのは、合否に関係なく意味があることだけをやること。
おすすめは、努力量を増やすより、迷いを減らす設計です。やることが決まっていると不安は薄まり、反省会の時間も減ります。逆に、何も決めないと、頭の中で失敗シーンだけが再生されやすいです。
この章では、まず“やらかし原因”を1枚にまとめて、そこから最短で効く7日間メニューを作ります。ボリュームは控えめで、続けやすさ優先にしています。できそうなところからで十分です。
4-1. まずは“やらかし原因”を1枚に書き出す
次回の点を上げるいちばん早い方法は、「原因を増やさない」ことです。つまり、反省を細かくやりすぎて迷子にならないこと。そこで、A4 1枚(またはメモ1画面)に収めるルールで整理します。
書くのは3つだけです。
- やらかし(事実):沈黙10秒、聞き返し4回、理由が言えない…など
- 原因(推測):語彙不足、質問の型がない、緊張で声が小さい…など
- 次回の一手(行動):つなぎ句2つ暗記、意見+理由の型練習…など
ポイントは、原因は“1個に絞らなくていい”けれど、行動は“1〜2個に絞る”ことです。やることが多いほど続かず、不安だけ残ります。
「私の原因は全部です…」と思う人もいるでしょう。でも、全部直そうとしなくても大丈夫。面接は、沈黙を減らすだけでも、答えの型を持つだけでも、体感の点が上がりやすいです。
迷いを減らすチェック(原因を3つに圧縮)
- 一番怖かったやらかしは何?
- それは「会話が止まった」「内容がズレた」「英語が出ない」のどれ?
- 次回、最初に潰すならどれが一番ラク?
この3問に答えると、行動が決めやすくなります。行動が決まると、結果待ちの時間が“ただの不安”から“準備期間”に変わります。
4-2. 7日間の最短メニュー:音読・Q&A・意見の型
ここでは「次回にも使える」「短時間でも効く」「面接形式に近い」を条件に、7日間のメニューを作ります。1日20〜30分くらいが目安ですが、10分でも回せるようにしています。
7日間メニュー(Day1〜Day7)
- Day1:失点パターンの整理+つなぎ句2つだけ決める
- Day2:音読(ゆっくり・語尾まで)+録音して聞く
- Day3:質問に対して「I think… because…」の型で10問
- Day4:理由が出ないときの“広げ方”を3パターン練習
- Day5:聞き返しの練習(丁寧に1回で戻す)
- Day6:模擬面接(タイマー)で通し練習を1回
- Day7:弱点だけ復習+当日の動き(入室〜退室)を確認
このメニューの狙いは、英語力を全体的に上げることではなく、面接で点が落ちやすい“型の不足”を埋めることです。型ができると、緊張しても最低限の受け答えができます。
途中で時間が取れない日があっても大丈夫です。1日飛んだら終わりではなく、次の日にDayをスライドして続ければOK。継続が途切れる罪悪感が、一番の敵です。
途中に入れてほしい“小さな型”3つ
- つなぎ句:Let me think for a moment.
- 結論+理由:I think … because …
- 例:For example, …
この3つがあるだけで、沈黙と薄い回答が減り、会話が続きやすくなります。発音や文法の完璧さより、会話が切れないことを優先してみてください。
4-3. 保護者・先生に相談するときの伝え方(中高生向け)
中高生だと、「やらかした」って言いにくいですよね。怒られそう、がっかりされそう、恥ずかしい。そういう気持ちがあると、相談が遅れて練習が止まりやすくなります。
相談するときは、反省を長く語るより、状況と次の打ち手をセットで言うとスムーズです。たとえば、こんな形です。
- 今日の面接で、沈黙が長くなったところがあった
- 次は、つなぎ句と意見の型を練習したい
- できれば、週に1回だけ模擬面接に付き合ってほしい
この言い方だと、相手は「責める」より「手伝う」に入りやすいです。先生に言うなら、「面接練習を1回だけ見てもらえますか」と具体的にお願いするのがコツ。
もし話すのがつらければ、紙やメモで渡してもいいです。口で言うと感情が出やすい人もいますから。できそうな方法を選んでください。
ポイント
- 結果待ちは「不安な時間」ではなく、次回がラクになる準備期間にできる
- 行動は1〜2個に絞ると続きやすく、気持ちも安定する
- 7日間メニューは、英語力より面接の型を作る目的で回す
5. 落ちていた場合の再受験プラン
落ちたとしても詰みではありません。次回に向けて準備の順番を決めると、最短で取り返せます。
もし結果が不合格だったら…と考えると、胸がざわざわしますよね。「また同じ思いをするのが怖い」「次もやらかしたらどうしよう」と感じる人も多いでしょう。ここは無理に元気を出さなくて大丈夫です。
ただ、再受験は“闇雲にやる”ほどしんどくなります。逆に、順番を決めてやると、やることが減って気持ちが整います。大事なのは、今回の反省を“勉強量”ではなく設計に変えることです。
この章では、次回までに伸ばす優先順位、練習のやり方の変え方、そして「同じやらかし」を繰り返さないチェック観点をまとめます。合否がどちらでも役に立つ内容なので、先に読んでしまっても損はありません。
5-1. 次回までに伸ばすべき優先順位(技能別)
再受験のときに一番やりがちなのが、「全部やり直す」です。単語も文法も長文も…となると、時間も気力も持ちません。面接での失点が気になるなら、まずは面接の点が上がるものから手を付けたほうが早いです。
優先順位は、基本的にこの順が効きやすいです。
- 会話が止まらない仕組み(沈黙対策、つなぎ句、短い結論)
- 質問にズレない型(結論→理由→例の流れ)
- 語彙の底上げ(使う単語を絞って増やす)
- 文法の整え(伝わりにくいミスだけ減らす)
特に、沈黙や質問ズレがあった人は、語彙や文法より先に型を作ったほうが点が上がりやすいです。英語力を上げるより、英語を出す道筋を作るイメージですね。
一方で、発音や細かい文法の“ミス探し”から入ると、気持ちが折れやすいです。まずは、面接で「戻れる場所」を作ってから、細部に入っていくのがおすすめです。
5-2. 面接練習を“伸びる形”に変えるコツ
面接練習って、ただ回数を増やしても伸びないことがあります。なぜなら、同じミスを同じ形で繰り返してしまうから。伸びる練習は「改善点が1つ決まっている練習」です。
おすすめは、練習を3種類に分けることです。
- 型練習:I think… because… を10問(短く速く)
- 負荷練習:タイマーで答える(沈黙を減らす)
- 通し練習:本番形式で1回(仕上げ)
型練習は、英語の見た目をきれいにするためではなく、口が勝手に動くようにするためにやります。負荷練習は、緊張時でも止まらないため。通し練習は、当日の流れに慣れるためです。
さらに効くのが、録音して“1個だけ直す”こと。全部直そうとすると落ち込みます。たとえば「語尾まで言う」「because を必ず入れる」など、直すのは1個に絞るのがコツです。
練習の相手がいない人は、スマホ相手で十分です。自分の声を聞くのは恥ずかしいですが、慣れると本番の緊張が確実に下がります。できそうなところから試してみてください。
5-3. 同じやらかしを繰り返さないチェック観点
再受験で一番避けたいのは、「前回と同じ場所で崩れる」ことです。ここは、事前にチェックリストを作るとかなり防げます。試験直前に見返すだけでも効果があります。
次回の“やらかし予防”9項目チェックリスト
- 入室後、最初の一言をはっきりした声で言える
- つなぎ句を2つ口から出せる(暗記でOK)
- 結論→理由の型(I think… because…)が自動で出る
- 例を足す(For example…)を迷わず使える
- 聞き取れないとき、丁寧に1回で聞き返す練習をした
- 質問ズレが不安なとき、短く確認する言い方がある
- 1文を短くして、語尾まで落とさず言える
- 噛んだとき、ゆっくり読み直して戻れる
- “ミスしても立て直す”つもりで入る、と決めている
このリストの目的は、完璧にすることではなく「崩れない仕組み」を用意することです。9個全部ができなくても、3〜4個できるだけで体感は変わります。
そして最後に大事なのは、再受験を「罰」みたいに捉えないこと。今回のやらかしは、次に伸ばす場所が分かったサインでもあります。やることを絞って、少しずつ取り返していきましょう。
ポイント
- 再受験は「全部やり直す」より、点が上がる順番で攻める
- 練習は「型→負荷→通し」に分けると、伸びが見えやすい
- チェックリストで“崩れる瞬間”を先に潰すと、同じやらかしを防げる
6. Q&A:よくある質問
6-1. 1問ほぼ答えられなかったけど受かることはある?
あります。面接は「全部完璧」より、全体で点を積み上げるイメージに近いので、1問が崩れても他で回復できることがあります。大事なのは、その1問のあとに引きずって沈黙や質問ズレが連鎖しなかったかどうかです。
もし「その後は短くても答えられた」「会話は最後まで続いた」なら、必要以上に落ち込まなくて大丈夫。逆に、1問の失敗で頭が真っ白になり、後半も止まり続けた感覚が強いなら、次回は第3章のつなぎ句→短い結論だけでも用意しておくと安心です。
6-2. 聞き返しを何回もした…落ち確?
落ち確とは言い切れません。聞き返し自体は、黙り込むより安全な行動でもあります。見立てのポイントは回数より、聞き返しのあとにちゃんと答えが返せたか、そして聞き返しが続いて回答が薄くなったり会話が止まったりしなかったかです。
「聞き返したけど、その後は答えられた」「同じ質問を言い直して確認できた」なら、ダメージは必要以上に大きくないこともあります。次回は、丁寧な聞き返しを1つだけ決めておくと、回数も減りやすいです。
6-3. 沈黙してしまった。どれくらい不利?
沈黙は不利になりやすいですが、決め手は“沈黙したこと”より、沈黙の長さと、その後の戻り方です。2〜3秒の詰まりが1回なら、考えている範囲で済むこともあります。
一方で、10秒以上の沈黙があったり、沈黙のあとに焦って質問ズレを起こしたりすると、失点が重なりやすいです。次回は「Let me think for a moment.」のような時間稼ぎの一言を用意しておくと、沈黙のダメージを抑えやすくなります。
6-4. 音読で噛みまくった。合否に影響ある?
影響がゼロではありませんが、音読の失敗だけで合否が決まるとは限りません。音読は、そこで少し崩れても、その後のQ&Aで取り返せる場面が多いからです。
ただし、噛んだことがきっかけで焦り、早口になったり、後半の受け答えまで崩れたりすると、失点が増えやすくなります。もし後半は普通に答えられたなら、音読の失敗を過大評価しなくて大丈夫。次回は「ゆっくり」「語尾まで」を徹底するだけで改善しやすいです。
6-5. 試験が終わってからずっと不安で眠れない…
つらいですよね。終わった試験はやり直せないのに、頭の中で反省会だけが続くと、身体だけが疲れていきます。不安が強いときは、「考えるのをやめよう」とするより、考える材料を紙に出して終了にしたほうが落ち着きやすいです。
おすすめは、(1)やらかしを最大3つだけ書く(2)それ以外に“できたこと”も同じ数だけ書く(3)明日やる行動を1つだけ決める、の3つ。ここまでやったら、反省は一旦クローズしてOKです。眠れない日が続く、食欲が極端に落ちるなどがある場合は、無理せず学校や家族など身近な大人に相談してみてください。
ポイント
- 「落ち確」と決めつけるより、失点が連鎖したかで見立てる
- 回数より、聞き返し後に答えが返せたかが重要
- 不安は“整理→行動を1つ決める”で、少し扱いやすくなる
まとめ
英検二次試験でやらかした直後は、失敗シーンだけが強く残りやすいです。でも、やらかし=即不合格ではなく、失点はミスの種類と重なり方で決まります。まずは「何点減ったか」を当てにいくより、起きた出来事を分類して、現実的な見立てを作るほうが気持ちがラクになります。
失点は「内容」「英語の形」「会話のつながり」「態度・聞き取り」の4系統に分けると整理しやすいです。同じ沈黙でも、短く立て直せたならダメージは広がりにくく、逆に沈黙をきっかけに質問ズレや焦りが連鎖すると失点が重なりやすくなります。ここを切り分けるだけで、必要以上に自分を責めにくくなります。
そして、面接は“うまい英語”より“会話を止めない工夫”が効きます。ミスをゼロにするより、ミス後に戻る型を持つほうが、点の落ち方が変わります。試験直後に不安が強い人ほど、「型」を先に作る戦略が合いやすいです。
今後も意識したいポイント
挽回できる人が共通してやっているのは、ミスした瞬間に「止まらない」ことです。そこで役立つのが、つなぎ句→短い結論→理由か例、という流れ。完璧な英文を作ろうとして黙るより、短くても返して会話を動かすほうが安全です。
結果待ちの期間は、不安の時間にもなりますが、次回がラクになる準備期間にもできます。ポイントは、頑張りすぎないこと。行動は1〜2個に絞ると続きやすく、反省会も減ります。小さくても「やった」が増えると、不安は扱いやすくなります。
もし再受験になっても、全部やり直す必要はありません。まずは沈黙と質問ズレを減らす“型”、次に語彙、最後に文法の細部、という順番で攻めると最短になりやすいです。練習も「型→負荷→通し」に分けると、伸びが見えやすくなります。
今すぐできるおすすめアクション!
試験直後〜結果待ちのいま、できることは多くありません。だからこそ、行動は小さく、確実に。次の中から、できそうなものを選んでみてください。
- 今日中に、やらかしを最大3つに絞って事実だけメモする
- 同じ数だけ「できたこと」も書き、反省会を強制終了する
- つなぎ句を2つだけ決めて、声に出して3回言う
- 「I think … because …」の型で、質問を3つだけ短く答える
- 聞き返しの一文を1つ決めて、丁寧に1回で戻す練習をする
- 次回に向けて、7日間メニューのDay1だけ着手する
コメント