高校生からでもピアノは遅くありません。目標を「達成できるサイズ」に切り、忙しい日でも回る練習設計にすれば、数週間〜数か月で1曲を形にできます。
「高校生からピアノって、やっぱり遅いのかな…」と不安になるのは自然です。周りには小さい頃から習っている人もいて、同じ土俵で比べると焦ってしまいますよね。
ただ、ピアノは“始めた年齢”よりも、どんな目的で、どんな練習を積むかで伸び方が変わります。高校生は理解力や自己管理の力が育っている分、やり方が噛み合うとグッと上達しやすい時期でもあります。
一方で、部活や塾、テスト、受験などで毎日たっぷり時間を取れないのも現実です。ここで無理な計画を立てると、「続かない→自信がなくなる→やめる」の流れに入りがちです。
この記事では、そうならないために「高校生スタートで現実的にどこまで弾けるか」を目安として整理しつつ、短時間でも回る練習の組み立て方や、独学と教室の選び方まで、迷いやすいポイントをまとめます。
読み終えるころには、「今の自分ならこのやり方でいけそう」と道筋が見えて、今日からやることが具体的になるはずです。できそうなところから、軽く始めてみてください。
この記事はこのような人におすすめ!
- ピアノ未経験で、高校生から始めるのは遅いか不安な人
- 文化祭・卒業式・合唱伴奏など、いつまでに1曲を形にしたい人
- 部活や受験で忙しく、短時間でも上達する練習を知りたい人
目次 CONTENTS
1. 高校生からピアノは遅い?まず不安をほどく考え方
高校生からでもピアノは十分間に合います。比べる相手を変え、目的に合わせて「小さく達成」していけば、短期間でも手応えが出やすいです。
「小さい頃からやってる人には勝てないかも…」と感じると、始める前から気持ちが折れそうになりますよね。とくに学校だと、経験者が身近に見えるぶん焦りやすいものです。
ただ、ピアノはスポーツのように身体能力だけで決まるものではありません。高校生は理解力が高いので、練習の工夫ができると伸び方が安定しやすい傾向があります。
ここではまず、「遅いかどうか」の考え方を整理しつつ、どのくらい弾けるようになるかの目安と、最初の目標設定のコツをまとめます。
1-1. 「遅い」と感じる理由と、比べ方を変えるコツ
多くの人が「遅い」と感じる理由は、上手い人と比べてしまうからです。経験者は、譜読み・指の動き・両手の連携が“自動化”されているので、最初から差が大きく見えます。
でも、初心者が比べるべき相手は「昨日の自分」です。昨日より1小節進んだ、テンポを少し上げられた、止まらずに通せた。そういう変化を拾うほうが、上達の実感が積み上がります。
もう一つ大事なのは、「高校生の強み」を使うことです。例えば、やることを絞る、原因を言語化する、計画を立てるといった力は、高校生のほうがやりやすい人も多いでしょう。
今の自分のスタート地点を確認するチェックリスト
不安が強いときほど、現状がぼんやりして目標が大きくなりがちです。まずは“いま”を把握して、無理のない出発点を決めましょう。
- 1日あたり、平日は10〜20分くらい取れそう
- 週末に30〜60分なら確保できる日がある
- まずは「1曲を形にする」が目的
- 音符は苦手でも、ゆっくりなら読めそう
- 両手が難しそうでも、片手練習は続けられそう
- スマホで自分の手元を撮って見直せる
- “完璧”より“完成”を優先できる
このチェックで「できそう」が3つ以上あれば、スタートとしては十分です。逆に少ない場合でも、目標のサイズを調整すれば前に進めます。
1-2. 現実的に弾けるようになる目安は「目的×時間×曲の難易度」
どれくらいで弾けるかは、練習時間だけで決まりません。いちばん効くのは、目的に合う曲を選ぶことです。難しすぎる曲だと、練習しても“進んだ感”が出にくくなります。
目安としては、平日短め+週末に少し補うペースなら、数週間〜数か月で「弾けた」を作れる人が多いです。ここでいう「弾けた」は、ミスゼロではなく「止まらずに曲として通せる」レベルを想像してください。
目的別:到達しやすいラインの目安(ざっくり表)
目標が変わると、必要な難易度も期間もガラッと変わります。まずは自分の目的に近いところを見てみてください。
| 目的の例 | 目安の期間 | 狙うべき難易度のコツ |
|---|---|---|
| サビだけ弾きたい | 2〜4週間 | 右手メロディ中心+左手は単音や簡単パターン |
| 1曲を通したい(簡単アレンジ) | 1〜3か月 | “原曲に近い”より“完成しやすい”を優先 |
| 合唱伴奏で形にしたい | 2〜4か月 | 左手が分散和音でも、繰り返し型を選ぶ |
| 趣味として基礎から続けたい | 3〜6か月 | 曲と基礎をセットで回し、積み上げる |
この表の期間は「目安」なので、前後しても大丈夫です。大切なのは、途中で心が折れないように、勝てる難易度に合わせることです。
1-3. 目標を小さく切ると上達が加速する:最初の1曲の決め方
最初の1曲は、上達の勢いを決める“スタートダッシュ”になります。ここで無理をすると、練習が苦行になってしまいがちです。
おすすめは、「好き」×「簡単」×「短い」を満たす曲にすること。特に初心者は、短い範囲でも完成まで行けると、続ける自信が一気に上がります。
「好きな曲が難しそう…」という人も多いでしょう。そんなときは、同じ曲でも簡単アレンジを選んだり、Aメロだけ・サビだけに切ったりすると、現実的になります。
最初の1曲を決める5ステップ(迷わない手順)
選曲で迷っていると、練習が始まりません。手順にすると決めやすいです。
- 弾きたい曲を3つ書き出す
- その中から、テンポが速すぎないものを1つ選ぶ
- 最初は「サビだけ」など短い範囲に切る
- 右手だけで歌えるくらいまでゆっくり確認する
- 左手は簡単にして、まず最後まで通すことを優先する
このやり方なら、「難しいから無理…」ではなく「形にするところまで行けた!」が作れます。そこから難易度を少しずつ上げればOKです。
ポイント
- 比べる相手は経験者ではなく、昨日の自分にする
- 目安は「期間」より、目的×時間×難易度で決まる
- 最初の1曲は、短く・簡単に・完成させるのが近道
2. 高校生からピアノで上達する最短ルート
高校生からピアノを伸ばす近道は「練習時間を増やす」より「迷わない練習設計」に変えること。片手→短い両手→つなぐ、の順で進めると上達が安定します。
「毎日1時間練習できないと無理?」と思う人も多いでしょう。けれど、高校生は部活や受験があるので、現実には波が出ます。ここで大事なのは、時間が少ない日でもやることが決まっていて、前に進める形にしておくことです。
この章では、忙しい高校生でも回せる“最短ルート”として、練習の基本メニュー、つまずきの潰し方、独学でも軌道修正できる方法までまとめます。
2-1. 忙しくても回る練習メニューは「20分の型」を作る
上達が早い人ほど、練習を気合や気分に任せません。やることが決まっているから、短時間でも密度が上がります。
まずは平日の基本として、20分の型を作ってみてください。もちろん毎日できなくても大丈夫です。大切なのは「戻れる型」があることです。
平日20分:高校生向けの基本メニュー
- 3分:指慣らし(同じパターンでOK)
- 7分:右手だけ(止まる場所を中心に)
- 7分:左手だけ(同じ範囲をゆっくり)
- 3分:両手でつなぐ(短い範囲だけ)
この順番には理由があります。いきなり両手を通そうとすると、ミスが増えて「できない感」が強くなるからです。片手の精度を上げてから両手に行くと、上達が安定しやすいです。
“できた感”が出る目標の置き方
練習のゴールが「最初から最後まで通す」だけだと、初心者は毎回失敗しがちです。だから、ゴールを小さくしてみてください。
たとえば「今日はこの2小節を、止まらずに3回」みたいに、達成できるサイズにすると気持ちが折れにくくなります。
2-2. 伸びない原因の多くは「弾けない場所の放置」から始まる
練習しているのに上達しないとき、よくあるのが「止まる場所を何となく通してしまう」状態です。
止まる場所は、放っておくほど固まります。逆に言えば、そこを潰すだけで伸び方が変わります。ここは高校生の理解力が活きるところで、原因を見つけて対処すると早いです。
“止まる場所”を潰す6ステップ(最短で前進する方法)
- 止まる小節に印をつける
- 右手だけで、音と指番号を確認する
- 左手だけで、同じ小節を確認する
- 両手で、テンポを落として合わせる
- 1小節だけ先へ伸ばしてつなぐ
- 最後に、短い範囲を通して「曲っぽく」する
ここでの肝は、テンポを落とすことと、範囲を短くすることです。速さで押し切ろうとすると、ミスが定着しやすくなります。
どこが原因?よくある「止まる理由」の分解
止まる原因が分かると、対処が簡単になります。
- 音符が読めていない(譜読み不足)
- 指が決まっていない(運指が曖昧)
- リズムが崩れている(拍が取れていない)
- 両手のタイミングが合わない(合わせ方が分からない)
原因が違うのに同じ練習をすると、時間だけ使ってしまいます。ここを見分けるだけで、練習効率が上がります。
2-3. 譜読みが苦手でも大丈夫:最初に覚える「読む順番」
譜読みは、最初は誰でも苦手です。むしろここで苦手意識がつくと、練習が嫌になりやすいんですよね。
コツは、最初から全部読もうとしないこと。読む順番を決めて、少しずつ慣れたほうが進みます。
譜読みが楽になる「読む順番」3つ
- ① 右手の音だけ(ゆっくり歌えるまで)
- ② リズムだけ(手拍子でもOK)
- ③ 左手は“形”で覚える(同じパターンを探す)
右手が歌えるようになると、曲の流れが頭に入ります。すると、両手がつながりやすくなります。ここは意外と効きます。
途中に入れる:スマホを使ったセルフチェックのやり方
独学でも軌道修正するには、目と耳で客観視するのが大事です。そこで便利なのがスマホです。
手元を上から撮影して、次の3点だけ確認してみてください。
- 肩が上がっていないか
- 手首が固まっていないか
- 速くなると指がつぶれていないか
細かいフォーム論は置いておいて、まずは「力み」を見つけるだけでも、弾きやすさが変わります。
2-4. 独学と教室の“いいとこ取り”で最短にする
独学は自由で気楽ですが、方向を間違えると遠回りになります。一方で教室は安心ですが、時間や費用のハードルがある人も多いでしょう。
そこでおすすめなのが、状況に合わせた“いいとこ取り”です。全部を習うのではなく、必要な部分だけ外部の助けを使います。
こういうときは教室(または単発レッスン)が効く
- 自分の癖が分からない
- 両手になると進まない
- 同じ箇所で毎回止まる
- 目標が伴奏などで期限がある
一回見てもらうだけでも、次に何を直せばいいかが明確になります。逆に言えば、そこで方向が合えば、あとは独学でも進みやすいです。
独学で進めるなら「課題の固定」がコツ
独学で一番の敵は、毎回やることが変わってしまうことです。だから課題を固定します。
- 今週はこの8小節だけ
- 右手はここまで
- 左手はこの形だけ
- 両手はテンポ〇〇で合わせる
これくらいシンプルで大丈夫です。課題が固定されると、短時間でも積み上がります。
ポイント
- 最短ルートは、時間より設計で作る
- 伸びないときは、止まる場所を短く切って潰すのが効く
- 独学は“全部”ではなく、必要な部分だけ外部の助けを使うと速い
3. 高校生からピアノを始める環境づくり:楽器選び・騒音・費用
高校生からピアノは「家の環境」が続くかどうかを左右します。最初は完璧を目指さず、続けやすい機材と家族が納得しやすいプランを用意するとスムーズです。
「やる気はあるのに、家にピアノがない…」って、けっこう大きい壁ですよね。しかも高校生だと、買う・置く・音を出すの判断が自分だけでは完結しにくいです。
ここでのポイントは、最初から高いものを選ぶより、まず練習できる状態を作ること。環境さえ整えば、短時間でも積み上がっていきます。
この章では、電子ピアノとキーボードの選び方、騒音の現実的な対策、費用の考え方と親への相談のコツをまとめます。
3-1. 電子ピアノとキーボード、どっちがいい?結論は「目的」で決める
迷いがちなところですが、ざっくり言うと「ピアノとして上達したい」なら電子ピアノ寄り、「まず曲を鳴らしたい」ならキーボードでも始められます。
ただ、続けるほど差が出やすいのは、鍵盤の重さと弾き心地です。軽い鍵盤に慣れると、後から重い鍵盤に移ったときに「指が思うように動かない…」となりやすいんです。
なので、目的が“1曲完成”で短期でも、できれば鍵盤が重めのモデルにしておくと、後でラクになります。
目的別のおすすめ(ざっくり)
- 合唱伴奏・卒業式・長く続けたい → 電子ピアノ寄り
- 推し曲のサビだけ・作曲や打ち込みもしたい → キーボードでも可
- 続くか不安、まず試したい → レンタル/中古も選択肢
電子ピアノ vs キーボード比較表(失敗しにくい見方)
買う前に「どこで差が出るか」を押さえておくと、後悔しにくいです。
| 比較ポイント | 電子ピアノ | キーボード |
|---|---|---|
| 鍵盤の重さ | 重めで指づくりに向く | 軽めが多く、ピアノ感は薄め |
| 音量・騒音対策 | ヘッドホン運用がしやすい | ヘッドホン可だが機種差あり |
| 設置 | 家具っぽく場所を取る | 軽くて動かしやすい |
| 価格感 | 中〜高になりやすい | 低〜中で始めやすい |
| 上達との相性 | 基礎が作りやすい | “まず鳴らす”には良い |
この表から読み取れるのは、「短期目標でも、上達の土台を作りたいなら電子ピアノが安心」ということです。逆に、今は環境的に難しいなら、キーボードで始めて、続いてからステップアップでも大丈夫です。
3-2. 騒音が心配な人へ:家で練習できる現実的な対策
ピアノは「音」が最大のハードルになりやすいですよね。特に集合住宅だと、家族も気になります。
ここで知っておいてほしいのは、音問題は“根性”では解決しないこと。対策は、わりと仕組みでどうにかなります。まずはヘッドホンを前提に考えるのが一番ラクです。
それでも鍵盤を叩く音やペダル音は残るので、生活の中で衝突しない形を作っていきましょう。
家族と揉めにくい「練習ルール」チェックリスト
音そのものだけでなく、家族のストレスを減らすのがコツです。
- 練習は基本ヘッドホンで行う
- 時間帯は「夕食後は避ける」など固定する
- 週の予定(部活・塾)を見て先に宣言しておく
- 大きい音が出やすい部分は短時間で切り上げる
- テスト前は「5分だけ」にしてゼロにしない
- 置き場所は通路を塞がない(家族の導線を守る)
- “弾けたら聞いて”ではなく、まずは静かに続けるを優先する
このチェックができると、「うるさい」より先に「ちゃんと配慮してるね」と思ってもらいやすくなります。やりやすいところからでいいので、1〜2個ずつ整えてみてください。
3-3. 費用の目安と、親に相談するときの伝え方
ピアノを始めるとき、親に言いづらいのは、だいたい「いくらかかるか分からない」からです。
ここは、最初から高い買い物にせず、段階を踏むと通りやすいです。たとえば「まず3か月試して、続いたら次を考える」という形なら、家族側も判断しやすくなります。
そして相談のときは、“欲しい”だけでなく、「どう続けるか」「どう迷惑を減らすか」をセットにすると話が早いです。
現実的な費用の考え方(ざっくり)
- 本体:予算幅が大きい(新品/中古/レンタルで変わる)
- 周辺:椅子、ヘッドホン、譜面台、必要なら防振マット
- 教室:通うなら月謝+交通費(頻度を減らす選択もあり)
ポイントは、最初に全部そろえようとしないことです。まずは練習できる最低限を決めて、足りないものは後から足すと無駄が減ります。
親に相談するときの「30秒テンプレ」(反対されにくい言い方)
言い方が変わるだけで、通りやすさが変わることがあります。
- 目的:文化祭までに1曲を形にしたい
- 計画:平日20分、週末は30分。まず3か月だけやる
- 配慮:練習はヘッドホン、時間帯も決める
- 費用:いきなり高額ではなく、まずは試せる方法にしたい
- 約束:続かなかったらやめる/売るなど、出口も考える
「買ってほしい」より、「こう運用するから安心して」という話になると、家族の不安が減ります。緊張する人も多いと思うので、紙やメモに書いてから話すのもおすすめです。
ポイント
- 機材は「完璧」より、続けやすい形を優先する
- 騒音は工夫で減らせる。まずはヘッドホン前提で考える
- 親への相談は、目的・計画・配慮・出口をセットにすると通りやすい
4. 高校生からピアノを続けるコツ:部活・受験と両立する仕組み
高校生がピアノを続けるカギは「毎日やる」より「戻れる仕組み」を作ること。忙しい時期でもゼロにしない運用にすると、気づいたら上達が積み上がります。
高校生は、季節によって忙しさが極端に変わります。部活の大会前、定期テスト、模試、受験期。どれも「練習どころじゃない…」ってなりやすいですよね。
ここで大事なのは、完璧な継続ではなく、途切れても戻れることです。ピアノは一度止まると再開がしんどいので、ゼロの日を減らすだけで続けやすくなります。
この章では、時間がない前提で、練習を習慣として回すコツ、モチベが落ちたときの立て直し方、受験期の“縮小運用”まで紹介します。
4-1. 続く人は「毎日」ではなく「最低ライン」を決めている
続かない原因は、意志が弱いからではありません。最初に立てた理想が高すぎて、現実に合わなくなるのが主な理由です。
例えば「毎日1時間」と決めると、1回崩れた時点で“もう無理”になりがちです。逆に、最低ラインが低いと、忙しい日でもクリアできます。すると継続が残ります。
忙しい高校生向け「最低ライン」設定チェック
最低ラインは、気合ではなく設計です。次の中から決めやすいものを選んでください。
- 平日は5分でもOKにする
- “触るだけの日”を作っていい
- 片手だけでも前進扱いにする
- 進捗は「小節数」で記録する
- テスト前は維持メニューに切り替える
- 週末に少し長めにやれたら上出来にする
この最低ラインがあると、「今日は短いけどやれた」が残ります。これが積み上がると、長期的に強いです。
4-2. 部活・塾がある人の時間の作り方:練習を“スキマ化”する
まとまった時間を探すと、永遠に見つかりません。だから練習をスキマに差し込みます。
ピアノは、全部を一気にやらなくてもいいのが救いです。右手だけ、左手だけ、止まる場所だけ。分割できるので、短時間に向いています。
スキマ練習の具体例(現実的にやりやすい形)
- 帰宅後すぐに7分だけ右手
- 夕飯前に5分だけ左手
- 夜は3分だけ両手でつなぐ
- 週末にまとめて“通す練習”をする
こうすると、「やるかやらないか」ではなく、「どのパートをやるか」になって、続きやすくなります。毎日同じでなくて大丈夫です。
1週間の練習プラン例(3パターン)
自分の生活に合う形があると、迷いが減ります。
A:平日短め+週末少し長め
- 平日:15〜20分×4〜5日
- 週末:30〜60分×1日
B:平日はほぼ無理、週末集中型
- 平日:5分×2〜3日(維持)
- 週末:60〜90分×1〜2日(前進)
C:受験期の縮小運用
- 平日:3〜5分(止まる小節だけ)
- 週末:15〜30分(短い範囲を仕上げる)
この中で一番“できそう”なものから始めるのがコツです。まず回る形にして、余裕が出たら増やせばOKです。
4-3. モチベが落ちたときの立て直し方:目標を“下げる”のは正解
続けていると、必ず「今日は弾きたくない日」が来ます。ここで根性で頑張ろうとすると、逆に嫌いになりやすいです。
モチベが落ちたときは、目標を下げるのが正解です。上達の曲線は一直線ではなく、波があります。波がある前提で、運用を変えるほうが長続きします。
“やる気ゼロの日”の救済メニュー
- 右手だけで、止まる小節を2分
- 左手だけで、同じ小節を2分
- 両手で、超ゆっくり1分
この程度でも、手が鍵盤を忘れません。ゼロにしないことが、再開のハードルを下げます。
やってはいけないNGリスト(挫折につながりやすい)
うまくいかないときほど、やりがちな落とし穴があります。
- 難しい曲に浮気して、どれも完成しない
- 速さを追いすぎて、ミスが定着する
- つまずく場所を放置して、通し練習だけする
- できない自分を責めて、練習が怖くなる
- 休んだ分を取り返そうとして、いきなり長時間やる
代わりに、短い範囲を切って仕上げるほうが、結果的に早く進みます。
4-4. 受験期でも続けたい人へ:ピアノを「息抜き」にする設計
受験期にピアノを続けたい人は、「上達のための練習」より「気分転換としての運用」に寄せたほうが続きます。
大切なのは、勉強の邪魔にならないこと。そしてピアノが罪悪感にならないことです。だから、時間は短くしてOKです。
受験期のおすすめ運用(現実的な落としどころ)
- 平日:3〜5分だけ(止まる小節の確認)
- 週末:15〜30分(短い範囲を完成させる)
- 目標:1曲の完成ではなく、“弾ける部分を増やす”にする
この設計なら、勉強が最優先の時期でも、ピアノが良いリフレッシュになりやすいです。無理に伸ばそうとしなくて大丈夫です。
ポイント
- 続けるコツは「毎日」ではなく、最低ラインを決めること
- 練習は分割して、スキマ化すると回りやすい
- 受験期は上達より、ゼロにしない運用が正解
5. Q&A:よくある質問
高校生からピアノは「遅いか」より「目的に合う練習を作れるか」が重要です。よくある不安は、考え方とやり方を少し変えるだけで軽くなります。
「ここまで読んでも、まだ気になる…」という点がいくつか残る人も多いでしょう。高校生のスタートは情報が多すぎて、逆に迷いやすいんですよね。
この章では、検索でよく出てくる疑問をまとめて、短く整理します。今の自分に近い質問から読んでみてください。
5-1. 高校生からピアノは本当に遅くないですか?
遅くありません。高校生は理解力があるので、練習の工夫がしやすく、上達が安定しやすい面があります。大事なのは、経験者と同じ基準で比べないこと。最初は簡単アレンジや短い範囲で成功体験を作ると続きやすいです。
5-2. どれくらい練習すれば1曲弾けるようになりますか?
曲の難易度で大きく変わりますが、平日短め+週末少し、のペースなら数週間〜数か月で「止まらずに通せる」レベルは狙えます。最初は“原曲を完璧に”より、完成しやすい難易度を選ぶほうが近道です。まずはサビだけなど、範囲を小さくするのも有効です。
5-3. 独学でも上手くなれますか?限界はありますか?
独学でも上達は可能です。ただし、独学の弱点は「どこを直すべきか分からない」まま進んでしまうこと。手首の力みや運指の癖などは、後から直すのが大変になりがちです。迷うなら、月1回などでも良いので、方向修正だけ見てもらう選択もあります。
5-4. 楽譜が読めません。ピアノは無理でしょうか?
無理ではありません。譜読みは最初から速く読める必要はなく、ゆっくりでOKです。コツは、いきなり両手で読もうとしないこと。まずは右手のメロディ→リズム→左手は形(同じパターン)を探す、の順で慣れると進みやすいです。
5-5. 両手ができません。向いてないってことですか?
向いてないわけではありません。両手が難しいのは普通です。最初は片手の精度が足りないまま両手に行くと、混乱しやすいだけです。片手を固めてから、短い範囲で両手を合わせると上達が安定します。2〜4小節ずつつなぐやり方が特におすすめです。
5-6. 電子ピアノとキーボード、どっちで始めればいいですか?
目的で決めるのが現実的です。趣味で長く続けたい、学校行事の伴奏も見据えたいなら、鍵盤が重めで弾き心地が近い電子ピアノが安心です。一方で「続くか分からない」「まず音を出して弾きたい」なら、キーボードで始めてステップアップもできます。最優先は、練習できる環境を作ることです。
5-7. 部活や受験で忙しいです。続けるコツはありますか?
「毎日やる」より「ゼロにしない」仕組みを作るのがコツです。忙しい日は、右手2分・左手2分・両手1分の5分メニューでもOK。続ける人は、最低ラインを低くして戻れる形を作っています。受験期は上達より、息抜きとして短く続ける運用が合います。
ポイント
- 高校生からの上達は、比較ではなく設計で決まる
- 迷ったら、曲の難易度を下げて完成を優先すると伸びやすい
- 継続は「毎日」より、ゼロにしない仕組みが強い
まとめ
高校生からピアノを始めるのは、決して遅くありません。むしろ高校生は理解力があるので、「どこができないのか」「何を優先すべきか」を整理しながら練習できる強みがあります。
ただ、子どもの頃から続けている人と同じ基準で比べると、苦しくなりやすいのも事実です。そこで大事になるのが、目的を小さく切って、達成できるサイズで積み上げる考え方でした。
「どれくらいで弾ける?」は一概に言えませんが、現実的には、曲の難易度を合わせて練習を設計できれば、数週間〜数か月で「1曲を形にする」ことは十分狙えます。最初は原曲にこだわらず、簡単アレンジや短い範囲で成功体験を作るほうが、結果的に伸びやすくなります。
今後も意識したいポイント
上達が早い人は、練習時間の長さよりも「迷わない仕組み」を持っています。忙しい高校生活では、毎日きっちりやるより、途切れても戻れることのほうが重要です。
具体的には、片手→短い両手→つなぐ、という順番で進めて、止まる場所を放置しないこと。ここを丁寧にやるだけで、同じ時間でも伸び方が変わります。
また、環境づくりも続ける鍵です。家族の理解や騒音への配慮が整うと、練習がストレスになりにくくなります。最初から完璧を目指さず、練習できる状態を優先するのが現実的でした。
今すぐできるおすすめアクション!
やる気がある今のうちに、小さく動ける形を作っておくと続きやすいです。まずは次の中から、できそうなものを選んでみてください。
- まずは弾きたい曲を3つ書き出し、サビだけなど短い範囲に切る
- 今日の練習は「20分の型」(指慣らし→右手→左手→両手)を1回だけ回す
- 止まる場所に印をつけ、2〜4小節だけをゆっくり仕上げる
- 忙しい日は「5分だけメニュー」で、ゼロにしない日を作る
- スマホで手元を撮影し、力み(肩・手首)がないかだけ確認する
- 独学で迷うなら、月1回でもいいので、方向修正だけ外部に頼る選択肢を持つ
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